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建築×音楽の交差点

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今回は、建築と音楽に関係する、歴史上のできごとをご紹介したいと思います。

 

イタリア ヴェネチアに、サン・マルコ寺院という教会があります。

世界遺産にも登録されている、歴史ある教会です。

 

この場所がとても興味深いのは、建築史と音楽史が見事に交差した例だからです。

 

サン・マルコ寺院は、9世紀初期、

ベネチアの商人がエジプトのアレキサンドリアから持ち帰った

福音記者 聖マルコの亡骸を祀るために建設されました。

 

建築様式としては、東ローマ帝国のビザンティン様式で建立されています。

5つの大きなドームや巨大なバシリカ、モザイク壁画が特徴です。

その後時を経て改築されたため、

ロマネスク様式やゴシック様式など様々な時代の建築様式を

融合した建築物となりました。

 

サン・マルコ寺院に、1527年に楽長として就任したのが、

アドリアン・ヴィラールト(1490頃-1562)でした。

 

このサン・マルコ寺院の聖堂は、ギリシャ十字型と呼ばれる、

平面が十字形の構造をした大きな聖堂です。


そして聖堂に聖歌隊を配置する際に、

十字の対極に向かい合わせで聖歌隊を配置し歌わせたところ、

音響効果でいうところの「ディレイ効果」(やまびこのような効果)

が発生しました。


この音の現象に「面白い!」と着目したヴィラールトは、

交唱様式と呼ばれる、合唱隊を2つに分けて交互に歌わせる音楽様式を

発展させたのです。


この二重合唱の音楽様式を、コーリ・スペッツァーティと呼びます。

イタリア語で「分けられた合唱隊」の意味です。

 

 

ヴィラールトとその弟子や後継者の音楽は、ヴェネツィア楽派と呼ばれました。

 

またこの時代、

サン・マルコ寺院のすばらしいステレオ音響効果に倣って、

二重合唱の音楽様式が他のたくさんの聖堂でも採用されました。

 

その後コーリ・スペッツァーティは、

次第にコンチェルタート様式(協奏曲)へと発展し、

西洋音楽の歴史は

ルネサンス音楽からバロック音楽へと移行していったのです。

 


どうでしょう!

求める音楽をするための空間を作る、のではなく、

建築(=音響効果)から音楽が発展したのです。

もちろん、西洋音楽において、

美術、建築、音楽の潮流は一体でありました。


しかし、この出来事ほど音楽と建築の密接なかかわりを感じさせる

できごとはないのではないでしょうか。

 

建築×音楽の交差点 ともいうべき

西洋建築と音楽の歴史について、ご紹介いたしました。



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