吸音・遮音・防音・・・正しく使い分けていますか? | 防音室・防音工事は環境スペースにお任せ|サウンドゾーン

気づけば4月。
(こんなご時世ですが)新しい環境で、慣れないながらも一生懸命頑張っている方も多いのではないでしょうか。
個人的な話ですが、私は「環境スペース」という会社に、防音とは全く違う業種から転職しました。その時、最初に戸惑ったのが「防音」「遮音」「吸音」という言葉。
どれも、なんとなく同じような意味だと思って適当に使っていたのですが、実は明確な違いがあることをこの業界に入って初めて知りました。
きっと同じように思っている方もいらっしゃるのでは、と思い、今日は初心に帰ってこれらの言葉の違いを分かりやすくお伝えしようかと思います。

■「防音」って実は曖昧な言葉? ~ “遮音” と “吸音” の違いわかりますか?

意外に思われるかもしれませんが、実は「防音」とは「方法」を指す言葉ではないのです。

音が漏れるのを防いだり、外からの音を遮断したり、あるいは音を小さくさせるような何らかのしくみであったり。

そういったことを総合して「防音」と呼んでいます。いわば、「概念」です。

その概念を具体化するにあたって必要な対策が「遮音」や「吸音」といった手段なのです。
遮音」や「吸音」は、「防音」をするための手法の一つ と理解すると良いかもしれません。

■「遮音」とは

遮音」とは、読んで字のごとく、「音」を「遮(さえぎ)る」ことです。
「遮断機」「遮光カーテン」「遮蔽物」。
音に置き換えると、空気中を伝わってくる音を「跳ね返して」音を遮断するのが「遮音」ということになります。跳ね返すモノは、住宅で言うならば壁や扉、窓などですね。
当然、全部の音を跳ね返せるわけではなく、一部は壁などを通り抜けて反対側へ抜けて行ってしまいます。閉め切った部屋からも音が漏れてしまうのは、このように透過する音があるからなのです。

遮音をするためには、よく鉄板やコンクリート、石膏ボードなどの素材が知られています。これらの素材の特徴は、「密度が高く、重い」ということです。
物理学的に言うと「単位面積あたりの質量が大きい」と表現され、この質量が大きいほど跳ね返す効果も大きいので遮音効果も高くなるというわけです。

気を付けなくてはいけないことがあります。
跳ね返った音は、どうなるのでしょうか?
外の空間であればそのまま拡散していくので問題ないのですが、室内だと跳ね返る(=反響する)ことによって音が聞き取りにくくなったりするリスクも考えられます。なので、必要以上の反響を抑えるために、次の「吸音」が大事になってきます。

■「吸音」とは

こちらも分かりやすい。「音」を「吸う」ことです。
「吸引」「吸盤」「吸水タオル」「吸血鬼」。
先ほどの「遮音」と比較してみましょう。

遮音」が音を跳ね返すのなら、「吸音」は音を吸収することです。
空気中の音は、「多孔質」と呼ばれる細かい穴のたくさん開いた素材によって吸収されます。和室の畳や襖などは吸音性の高い素材にあたります。
吸音工事では、グラスウールやロックウール、ウレタンフォームなどが吸音材として多く用いられています。
ただこちらも、全部の音を吸収できるわけではなく、一部は反射し、一部は透過することになります。

音の吸収(=吸音)を物理学的に説明すると、「多孔質素材の内部で音エネルギーが熱エネルギーに変換されて減衰する」なんて表現したりもします。一気にアカデミックになりましたね。
・・・え?「熱エネルギー」???
吸音材が熱くなっちゃうの?大変!←私は一瞬そう思ってしまいましたよ。
ご安心ください。日常の吸音で発生する熱エネルギー程度では、そう簡単に吸音材の温度を上昇させるなんてことはできません。
多分、グラスウールの温度を0.1℃上昇させるためには何デシベルの音が何万時間必要、とか計算できるんでしょうね。私にはとても無理ですが。

このように、防音をする為にはまず遮音をすることが基本となります。そして、更に吸音という手法も組み合わせることによって効果の高い防音対策ができるようになります。
遮音シート「だけ」、吸音パネル「だけ」では十分な防音効果が得られない、というのはこういった原理原則があるからなのです。
また、今回は割愛しましたが、振動を抑える「制振」「防振」などを考慮することによって、より精度の高い防音が可能になります。

この組み合わせが適切に、効果的になるよう考えて設計するのが、防音専門会社である我々の仕事です。
音のお困りごとがございましたらいつでもお気軽にご相談ください。
自信をもって解決方法のご提案をさせていただきます!


               

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