防音工事における「吸音」とは? | 防音室・防音工事は環境スペースにお任せ|サウンドゾーン
パンチングボード

新年のご挨拶には少々遅いですが、今年もよろしくお願いいたします。

当ブログでは”“に関する話題をお届け。

新年の第1回目は、弊社の防音工事においても重要な項目のひとつ、「吸音」に関してお送りします。

「防音」という言葉は馴染みのある言葉だと思いますが、「吸音」という言葉は、あまり聞いたことがないと思います。

吸音とは「防音の手法のひとつ」を指す

防音には大きく分けて遮音吸音が存在します。

一般的にいわれる「防音」という言葉は、概念的なものであるのに対して、「吸音」とは防音の手法のひとつのことをさします。

読んで字のごとく音を吸収する素材、「吸音材」を使用することで、防音の一部を担うのです。

吸音材の主な効果は、音の反響を小さくすることです。

用途としては、不必要な反響を抑えて最適な音楽環境を作り出すために、ピアノ室やオーディオルーム、ホームシアター、ライブハウス、スタジオなどの音楽関係の施設に使われます。

騒音の低減が必要な工場や、自動車の車内環境の向上にも使われます。

吸音材は防音工事に使われ、効果が強すぎると反響音が弱くなりすぎてしまい、音楽施設などは適切に音が響かなくなってしまうため、適度な調整が必要です。

吸音材料は大きく3種類ある

音楽室の壁

参考画像:音楽室の壁

吸音は吸音材料に入射した音を、熱エネルギーに変えることで実現します。

材料は大きく分けて3つの型があり、それぞれ多孔質型吸音、板振動型吸音、共鳴型吸音と呼ばれます。

■多孔質型吸音

無数の穴が開いている構造で、音を内部に取り込みやすいのが特徴です。

多孔質型吸音材料の種類としてはグラスウールやロックウール、ウレタンフォームなどがあげられます。

吸音特性として、低音域はあまり吸収されず、高音域でより効果を発揮します。

■板振動型吸音

薄いベニヤ板やカンバスといった気密性が高い材料に音が当たると、板振動や膜振動が発生し、音のエネルギーの一部が内部摩擦によって消費されます。

吸音特性は吸音率こそあまり大きくはありませんが、低音域での効果がやや良好です。

■共鳴型吸音

空洞に穴が開いた形の構造(共鳴器)に音を当てることで、穴の部分の空気が激しく振動し、周辺との摩擦熱として消費されます。

身近なものではパンチングボード(有孔ボード)が当てはまります。

しかしこれだけでは機能しません。

ボードの向こう側に、閉じた空間を作る必要があります

小学校の音楽室や放送室で見た覚えのある方もいらっしゃるでしょう。

吸音特性は、特定の周波数付近だけかなり大きく優れています。

吸音材料はホームセンターでも買える

吸音材料と聞くと、一般には手に入りにくいイメージがあります。

ホームセンターで購入できてかつ、効果が高いと思われる商品を3つ抜粋しました。

■ウレタンスポンジ

吸音効果が非常に高い素材です。

ハサミやカッターなどでの加工も容易で、店によっては表面が平らなものからより吸音効果を高めた凸凹のあるタイプが存在します。

■グラスウール

建築資材として主に断熱に使われる素材ですが吸音材料としての効果も発揮します。

ウレタンやロックウールに比べて吸音効果は少々劣りますが、コストパフォーマンスではこちらに軍配が上がります。

■パンチングボード(有孔ボード)

共鳴型吸音で紹介した材料になります。

単品では単なる穴の開いた板になってしまうため、背面に吸音材や空間がないと意味をなしません。

扱いが面倒ではありますが、ウレタンスポンジやグラスウールが不得意な低音域に強いため一考の余地ありです。

パンチングボード

環境スペースで扱う吸音材料

最後に弊社の防音工事で使用している吸音材料、オリジナルKSApanelをご紹介します。

https://www.soundzone.jp/t_service/ksa-panel/

吸音材料の吸音の大きさを数値で表したものとして、吸音率があります。

吸音率1が最大で、これは音の反射が一切ない数値となります。

弊社のオリジナルKSApanelのページでは、厚みと使用面ごとに記載しておりますので参考にぜひご覧ください。

吸音に関しての注意点

ここまで吸音に的を絞って述べてきましたが、勘違いしていけないのが防音を実現するためには「吸音」だけでは成り立たないということです。

今回の記事では深く解説しませんでしたが、防音にはまず「遮音」を行います。

そして「吸音」という手法も組み合わせることによって、効果の高い防音対策ができるようになります。

更に振動を抑える「制振」「防振」などを考慮することによって、より精度の高い防音が可能です。

防音の世界は、奥が深く狙った効果を実現するのはとても難しいものです。

DIYでの作業に限界を感じた時は、遠慮なく弊社にご相談をください

このブログでは主に音に関係するテーマで色々なジャンルの話題を取り上げております。
最後までお読みいただきありがとうございました。


               

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