防音室の遮音性能値はどうやって決める?~周辺環境編~ | 防音室・防音工事は環境スペースにお任せ|サウンドゾーン

防音したいんだけど、どの程度音を止めたらいいのかわからない。

D値とか紹介されているけれど、私の家でその値は適切なの?

色々なサイトやカタログを見ても迷ってしまうこと、ありますよね。

今回は、防音室遮音性能値の決め方を住宅の周辺環境の要因に着目してご紹介します。

まずはおさらいです。

※防音室の性能にまつわる数値の話(超初級編)

遮音性能値(D値) = 音源の音の大きさ - 漏れる音の大きさ

式を入れ替えて、音源の音の大きさ - 遮音性能値(D値) = 漏れる音の大きさ

とも読めますね。

例えばピアノ室の場合、ピアノの音圧レベルを、仮に90dB(デシベル)としましょう。

D-40の防音室を作った時、外に漏れる音の大きさは、90-40=50(dB)となります。

この50dBとはどのくらいの聞こえ方なのか、次の表をご覧ください。

120db
・飛行機のエンジンの近く
110db
・自動車の警笛(前方2m)
100db
・電車が通る時のガード下
90db
・大声による独唱 ・騒々しい工場の中
80db
・地下鉄の車内
70db
・電話のベル ・騒々しい事務所の中や街頭
60db
・静かな自動車 ・普通の会話
50db
・静かな事務所
40db
・図書館 ・昼の静かな住宅地
30db
・深夜の郊外 ・ささやき声
20db
・木の葉の触合い ・置時計の秒針(前方1m)

㏈(デシベル)と聞こえ方の目安

50dBの目安:「静かな事務所」とありますね。

事務所ですので、話し声やパソコンの操作音、エアコンの音や歩行音なども聞こえる部屋を想像してください。

静かではありますが、意外と音は発生しているものですね。

ピアノであれば、曲がはっきりわかるレベルです。

ではもう少し性能を上げて、D-50の防音室を作ったとしましょう。

漏れる音は40dB。

40dBの目安:「図書館」「静かな住宅地の昼」

あら、だいぶ静かになったイメージですね。

でもまだピアノの音は小さく聞こえます。

更に性能値を上げて、D-60の防音室を作った場合。

漏れる音は30dBまで下がります。

30dBの目安:「郊外の深夜」「ささやき声」

これは相当静かですね。

ピアノの音もほとんど聞こえないレベルになります。

では、「うちはご近所もピアノ弾いてるし、50dBくらいなら聞こえてても大丈夫よね?」というような場合。

遮音性能値を、自己判断でD-40に設定してしまって良いものなのでしょうか?

実は注意が必要です。

外に漏れる音については、「このくらいの音までは出しても良いですよ」という基準が、各都道府県の条例などによって細かく定められているのです。

環境スペースの事務所がある東京都渋谷区の基準を、ちょっとご紹介しますね。

4つの地域区分ごとに、1日を4つの時間帯に分けて出してもいい音(生活騒音)の大きさが決められています。

例えば、第1種区域に分類される地域(この場合では2階建て程度の住宅と、小さな店舗兼用住宅、小規模店舗や幼稚園・学校、図書館、老人ホームなどに用途制限されている地域が該当)は一番厳しく、19時から翌朝8時までは40dBを超える生活騒音が規制されています。

つまり、あまりないとは思いますが、仮に自分やご近所様がOKであったとしても、19時以降に50dBの生活騒音は出してはいけない決まりになっているのです。

一番規制の緩い第4種区域は、渋谷の駅前周辺が指定されています。

この区域であっても、さすがに深夜は55dB。

静かな事務所並みに生活騒音を抑えるように規制がかけられていることがわかります。

では、この規制基準を守ってさえいればOKなのでしょうか?

先ほどの第1種区域を例にとってみましょう。

深夜もピアノを弾くと想定し、ピアノの音圧レベル 90dB - 規制値 40dB = 50dB

遮音性能値がD-50 であれば問題なさそうですが・・・?

もし仮に、あなたがご近所クレームの対策として防音室が必要になったのであれば、充分に注意が必要です。

クレームがあった場合、周辺の方は、漏れる音に対して相当敏感になっていますよね。

ですから、規制基準だけで遮音性能値を設定してしまうと、たとえ法律上はOKでも、「まだ聞こえている、うるさい」とトラブルに発展してしまうこともあるのです。

それなのでクレーム対策の場合は、通常のケースより遮音性能値を高く設定するご提案をさせていただくこともあります。(実際は更に複雑な要因も関係しますが、わかりやすくご紹介しました)

今回は遮音性能値の決め方を防音室の周辺環境の要因にフォーカスしてご紹介しました。

その他にも、性能値を決める要因はたくさんあります。

  • ・音源の種類(音圧レベルや振動の有無など)
  • ・建物自体が持っている元々の遮音性能など

環境スペースでは、それらの要因を一つずつ確認・分析しつつ、お客様がご相談に至った背景も考慮して無理・無駄のない性能値の防音室をご提案させていただいております。


               

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