電子ドラムなら防音しなくても大丈夫? | 防音室・防音工事は環境スペースにお任せ|サウンドゾーン

少し前の話なのですが、10月10日(木)から13日(日)まで、中国上海で世界最大規模の楽器の展示会が行なわれていたのをご存じでしょうか。

Music China 2019ニュースサイトに飛びます

世界30か国以上から2,400社を超える会社が出展し、来場者数も12万人を超えるという規模のイベントです。

管楽器や弦楽器、中国の伝統楽器などはもちろんなのですが、今年は比較的「電子楽器」のメーカーが目立っていた、という記事をちらほら見かけました。

中でも「電子ドラム」市場に注目製品がたくさん出展されていたとのことです。

ということで、本日は環境スペースにもしばしば防音工事のお問い合わせをいただく「電子ドラム」に着目してみました。

電子ドラムの歴史

①1970年代後半

たぶんまだ「シンセ・ドラム」なんて呼ばれていた頃だと記憶しています。

アメリカ ポラード社製のシン・ドラム(SYN-DRUMS)。

独特の「ピョ~ン」という電子音が特徴で、YMOの「ライディーン」、ピンクレディーの「サウスポー」、Dr.スランプ アラレちゃんのテーマ曲などで使われていました。

すぐ浮かんだ方、たぶん私と同世代です(笑)

②1980年代前半

日本の音楽シーンでも、エレクトリック・ミュージックが大流行します。

斬新なデザインで一世を風靡したのが、イギリス シモンズ社の六角形のパッドのドラムセット。

C-C-Bの「Romanticが止まらない」を覚えている方も多いでしょう。

他にも、杏里の「キャッツ・アイ」などにも使われていましたね。

海外でもキング・クリムゾンやスライ&ロビーなど。

見た目のインパクトもあって、ライブに取り入れるミュージシャンも多かったようです。

③1980年代中期以降、国内メーカーの参入が相次ぎます。

PEARL、TAMA、Roland、YAMAHAなどなど・・・

しかし、80年代後半になると、音楽シーンは一転バンドブーム。

「生ドラム」の需要に押されて、各社次々と撤退してしまいます。

④1990年代以降

シンセ風のサウンドから、より生音に近づけるため、また、家庭での練習用として普及させるため、メーカーは開発に力を入れるようになります。

2大勢力と言われているのは、YAMAHAとRoland。

2000年代に入ると、Alesis社やATV社なども加わって、低価格化と高機能化の両極に向かって勢いが加速していきました。

電子ドラムは本当に静かなのか?

このように、各社の開発努力の甲斐もあって、自宅に生ドラムが置けず練習できない、という悩めるドラマー達は「電子ドラムで練習する」という選択肢を手に入れました。

なぜなら電子ドラムは、パッドを叩いた時の振動を電気信号に変える楽器のため、アンプやヘッドホンからも音を出すことができ、生ドラムのような大音量を気にせずに練習ができるようになったからです。

では。

電子ドラムなら、防音対策をしなくても大丈夫なのでしょうか?

残念ながら、結論はやはり「NO」。

お隣とよほど離れた一軒家でもない限り、防音対策はした方がよさそうです。

確かに、「ドラムの音」はある程度コントロールできます。

パッドを叩く「打撃音」も、今はメッシュのように音の静かな材質のものも出てきています。

ですが致命的なのは「振動」です。

過去のブログでも何度かお話ししている「固体伝搬音」に該当します。

バスドラのペダルを踏んだ時の衝撃振動は相当なものです。

また、スティックで叩いた時の振動がスタンドを伝わって、床に響いてしまいます。

床に響いた振動は、建物の躯体を伝わって、下の階や隣の部屋、上の階などへ届いてしまうのです。

そして厄介なことにこの「固体伝搬音」は「空気伝搬音」と比べて、距離が離れると小さくなる現象(=減衰)が起こりにくいので、遠くまでよく聞こえてしまうのです。

自宅だからと言って控えめに叩いていたのでは全く練習になりませんよね。

なので、たとえ電子ドラムであっても生ドラムと同じように、振動に対する対策は必要不可欠なのです。

様々なメーカーから振動を抑えるパーツが発売されています。

また、マットを何重にも重ねてみたり、バランスディスクなどを使って防振装置を自作したりする方も多いようですね。

アイデアも凄くて驚きます。

ですが、大丈夫だと思っていたけれどクレームになってしまった、という声をしばしば聞くのも事実です。

安心して演奏したいと思ったら防音室を検討してみてはいかがでしょうか。

※ドラム室の防音工事を詳しくご覧になりたい方はこちら。


               

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