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防音の豆知識

D値についてD値で検討する周波数帯室内騒音レベルとの関係スタジオに必要な音響性能音響設計事例
D値について
■D値について
D値とは、JIS A 1419:1992(注) に規定される遮音等級のことで、数値が大きいほど遮音性能が高いことを示します。

(注)2000.1に改訂されたJIS A 1419-1:2000 におけるDr 値がD値に相当します。


■どういうことなのか?
どれくらい音が止まるか?の基準になります。

「殆ど聞こえなくなる」や「あまり聞こえない」等では個人の聴覚・感覚になってしまい、基準が必要なのです。

また、D値の性能評価において、検討する周波数帯も減らせる音圧も決まっています。
■空気音遮断性能(空間音圧レベル差)
界壁の空気音遮断性能の確認を行うため、室間音圧レベル差の測定実施した。

測定対象住戸の平面図を次項に示す。





■測定方法  測定報告書サンプルはココをクリック!
空気音遮断性能の測定は「パークハウス音響性能検証マニュアル」及びJIS-A-1414-2000「建築物の空気音遮断性能の測定方法」に準拠し、音源室に設けらた広帯域雑音発生器よりピンクノイズを室内に均一な音圧分布になるように発生させて、 音源室内5点の音圧レベルと受音室内5点の音圧レベルを測定し、音源側の平均音圧レベルと受音側の平均音圧レベルから室内音圧レベル差を求め、その結果よりD値を算出し評価する。 測定周波数範囲は63Hz~4000Hzの1/1オクターブバンドとする。
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D値で検討する周波数帯
125Hz・250Hz・500Hz・1KHz・2KHz・4KHzの6つの周波数帯
Ex.D65の性能で減らせる音圧 減衰量(dB)
周波数 125Hz 250Hz 500Hz 1KHz 2KHz 4KHz
減衰量 50dB 57.5dB 65dB 70dB 75dB 75dB
D65を確保するには、125Hz~4KHzの6つの周波数帯全てで、決められた減衰量を確保する必要があります。
どれか1つでも(例えば500Hzが60dBしか減衰しなかった)満たされないと、それはD65という性能評価にならないわけです。
■結局、音は止まるのか?
音が止まるか止まらないかで言うと、止まらないです。
防音工事の会社が「止まらない」と書くとショックかも知れませんが…これが事実です。
誤解の無いように、これからご説明します。

例えばマンションのピアノ室は、お隣や上下階に対してD65の性能でご提供する事が多いです。
一方、演奏する方にも依りますが、ピアノは一般的に500Hzで90dB程度の音が出ます。

D65は、500Hzの周波数帯は65dB減らせるので
ピアノの音圧:90dB - D65の減衰量:65dB = 漏れる音:25dB
となり、25dBは漏れることになります。

当然ピアノの音は、一定ではないので、優しく弾いて80dB程度であれば、漏れる音は減りますし、強く弾いて瞬間的に100dBを超えたりすれば、漏れる音も瞬間的に大きくなりますが、物理的に音が止まる訳ではないので、ご承知おきください。
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室内騒音レベルとの関係
防音室を検討する上で「お隣や上下階に聞こえないようにしたい」というご要望があると思います。
けれども、音が漏れることについては、先ほど記載した通りになります。
弊社はこれまで、たくさんのお客様にD65の性能で、ピアノ室をご提供してきましたし、ありがたいことに、お客様には大変満足をいただいております。
■漏れるのに何故???
これは、室内騒音レベルや暗騒音と関係してきます。
簡単に室内騒音レベルと暗騒音を説明します。
■室内騒音レベル
ピアノを弾いていなくても、お部屋には色々な音が存在しています。
外の交通騒音であったり、室内のテレビの音やエアコンの稼動音であったり様々です。
この室内の静けさ(うるささ)が室内騒音レベルになります。
テレビが付いているときや、救急車等が通っているときは、室内騒音レベルは高くなりますし、夜に寝静まる頃には一般的に低くなります。
■暗騒音
辞書的な意味合いは「測定目的以外の音」を指します。
例えばピアノの音を測定しようと思った時に、ピアノ以外の音:エアコンやテレビの音が暗騒音になります。
反対に、エアコンの音を測定するときは、ピアノやテレビの音が暗騒音となります。
さて、話を戻しまして・・・。

何故音が漏れるのにD65の性能でお客様からご満足頂いているのか?
それは、室内騒音・暗騒音に紛れてしまうからです。

これは、お客様それぞれの住環境に依るのですが、多くの場合、室内には30dB程度の音が存在しています。

ピアノの音圧:90dB - D65の減衰量:65dB
= 漏れる音:25dB


漏れてくるピアノの音:25dBが、室内騒音よりも小さいので、人の耳では聞こえないように感じる。

もしくは、注意深く聞かないと認識できないためです。もちろん、室内の騒音は、住環境で違ってきます。

室内騒音が20dB程度の非常に静かなお宅もございます。
こういうケースでは「聞こえる」旨をご説明いたしております。
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スタジオに必要な音響性能
音楽スタジオでは次のような音響性能が必要になります。

  1. スタジオ作業に支障のない静けさであること。(暗騒音レベル)
  2. 隣室、及び上下階への音漏れが問題ないこと。(遮音性能)
  3. 作業がスムーズに行える適度な響きであること。(室内音場)

つまり、各スタジオの規模や用途に応じて音を遮断する。
遮音計画と室内の響きを調整する。
音場計画の両面で検討を行います。
■遮音計画
遮音計画は「音」と「振動」の両面から検討を行う必要があります。
録音が行える静かな部屋をつくるためには、音だけではなく振動も遮断しなくてはなりません。
振動は建築の構造体を伝搬して内装材を揺らし、室内に音として放射されます。
例えば、機械設備、歩行音や扉開閉時の衝撃音が上げられます。
さらに、スタジオから放出される音への配慮も大切です。
演奏音やコントロールルームでのモニター音に対しても、ビルの躯体に入射して振動成分として構造体を伝幡し、再び音として放射される「二次固体音」の成分も無視できなくなります。
また、通常施工される間仕切り壁(固定遮音壁)だけでは、どんなに壁を厚くしても、先に述べた二次固体音の影響によって、一定の遮音性能以上得られなくなります。 これは振動の減衰が音の減衰と比べて極めて小さいことによります。
より一層の静けさが必要な場合には、固定遮音層の内側に「浮構造」と呼ばれる防振構造が必要になるわけです。
したがって、スタジオの遮音計画では、部屋の用途に応じて必要とされる静けさのレベルによって「浮構造」を採用するかどうかを決定し、周辺騒音の大きさと目標の静けさから必要遮音量を設定して遮音構造を検討します。
目標とする室内暗騒音レベルを確保するためには、建築的な遮音構造だけではなく、空調設備の消音計画を始めとして、遮音構造を貫通する空調ダクト、電気設備、防災設備、並びに弱電設備の配管処理を同じ遮音レベルで行う必要があります。
すなわち、貫通部の遮音処理や浮構造部分での振動絶縁処理を確実に行う必要があるのです。
機械設備の音だけでなく空調設備については、空調ガラリやダクトの管壁からダクトに侵入した音が伝搬して隣室のガラリやダクトの管壁から透過する「クロストーク」の影響も注意が必要です。
■音場計画
室内音場の計画は、部屋の用途に応じた適切な響きとするために室内状・内装材(吸音・反射)の検討を行います。
まず、スタジオの部屋の形状が出来るだけ不整形になるように考えます。
これは、室内に平行となる面がないようにして、音響的な拡散性を高める音の障害を無くす。
対向する壁が完全な平行面である場合、壁面間で音が減衰せずに行き来しますから、高音域ではフラッタリング・エコーを、低音域では定在波という音響的な障害を生じます。 必然的に少なくとも片側の壁を吸音面にせざるを得ないのです。
計画場所の条件にもよりますが、配置・面積、このとき、楽器(音源)やマイクの配置も含めて検討します。
次に、室の吸音を検討します。部屋の内装によって音のエネルギーを何%程度吸音するかを設定します。
つまり、マイクアレンジで音が変化するように、楽器の位置とマイク位置が大切で、この位置関係に基づいた反射面と吸音面のレイアウトが重要になります。
楽器の位置を想定して吸音面の配置を行い、低音域から高音域までバランスの良い適切な室内平均吸音率が得られるように考えるわけです。
■音響用語の説明
L値
JIS(日本工業規格)で規定されている上階から下階への床衝撃音の伝わりにくさを示す等級でLの数値が小さいほど遮音性能が高い。

床や壁を媒体にして伝わってくる音は、重量床衝撃音(LH)」と「軽量床衝撃音(LL)」の2種類に分けられます。
NC値
Noise Criteria Value の略で、室内における騒音の基準のことです。
一般的には室内騒音の大きさ、すなわちスタジオの暗騒音レベルを評価したり許容値を示すのに使われます。
人の聴感特性を逆にしたような基準曲線をもとにして、 全ての周波数帯域のレベルが下回る曲線の値をNC値としているのです。
定在波
位相干渉によるピーク、ディップを1/4波長ごとに生じます。この現象を定在波と呼びます。
ディップでは音圧レベルはほとんどゼロになり、波長の長い低音では、ピーク、ディップの間隔が大きくなるために音圧分布のムラが非常に顕著になります。
この現象を避けるためには、平行面をなくすか、拡散体を設けるか吸音処理を行うかが必要になります。
固有振動
音は球面状に放射されますから、室内には3次元までの定在波が生成されます。
部屋の大きさと同程度の波長をもつ低音域では、ピーク、ディップが3次元的に存在します。
これを固有振動と呼びますが、この現象はどんなに拡散性の良い部屋でも起こります。
部屋の寸法比を検討して固有振動の周波数分布をより一様にしようとするわけです。
平均吸音率
部屋全体の内面積に対する吸音部分の面積の比のこと。
計算に基づいて適切な残響時間を割り出すことが必要となります。
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音響設計事例
■スタジオ概要

お客様  (株)エイリアンミュージックエンタープライズ
所在地  東京都新宿区西新宿
カテゴリ  プリプロダクションスタジオ(音楽制作スタジオ)
 コントロールルーム  8.42㎡
 ボーカルブース     5.36㎡
 STUDIO         17.6㎡
 STUDIOブール     2.78㎡
■スタジオ建設に際してのサウンドコンセプト

同一ビル内に賃貸住居があるため、遮音に関してはD-70(500Hz時)とする

スタジオ内の空調換気騒音はNC-20とする

録り用スタジオは、ドラム等のリズム帯に特徴がある室内音響にすること

コンパクトながら、長時間の使用にも耐えうる空間を構築すること
■STUDIO

◆遮音構造
本スタジオは、コンクリートによる浮床遮音構造、コントロールルームとの間仕切りに固定遮音壁と独立スタッド遮音構造による浮遮音壁、天井に固定遮音層と防振吊天井による遮音構造から構成されており、外部からの影響はもちろん、同一ビル内でもD-70等級が確保できています。

◆室内音響
スタジオ内で一部高天(8角形)を採用し、ドラムの音の抜けを追求しました。アンビエントマイクのアレンジが可能です。まてあ、天井内での吸音処理や低域対策を施し、低域から中高域までのバランスを重視。周波数特性では、定在波の低域に対する影響やフラッター等の中高域に対する初期障害等の極端な音の「あばれ」は制御できました。
■コントロールルーム

◆遮音構造
コントロールルームは、ブースのみ浮構造を採用。ブースのドアは、スライドタイプの防音ドア(マーカス)を採用しています。

◆電源
電源は完全にセパレーションされており、専用回路にて100V、117Vを採用しています。アースについても建築時に専用アースを埋設いたしました。

◆室内音響
スタジオとの境界側をバッフル面とし、強固な反射壁を形成。モニタリングに際しましては、有害な反射音はなく快適なサービスエリアが形成できました。ProTools中心としで、スタジオとの通線もケーブル直引きを採用。SPのセッティングに関しても、家具やインシュレーター等サウンドチューニングを行いました。


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