【待望の刊行】各界の専門家と描く「音の未来」。コンセプトブックお申し込みのご案内!

Concept Book ― 音の探求音の未来を、空間から変えていく。環境スペースが挑む
「Soundscape」の新たな地平。
2002年、全盲となり「音」という風景(サウンドスケープ)と共に歩み始めた渡部隆氏。氏が捉える「音の気配」や「佇まい」は、単なる物理現象を超え、人間の感性を呼び覚ます重要な環境因子です。
私たち環境スペースは、この「目に見えない音」をデザインし、社会へ実装する伝道師でありたいと考えています。デジタル化が進む現代だからこそ、日本人特有の繊細な耳を信じ、心身の充足をもたらす音環境を追求すべきではないか。その問いへの答えとして、各界の専門家やクリエイターと共に、これからの音環境を牽引する一冊を編み上げました。
本質的な「音の在り方」を求めるすべての人へ。私たちの「音の探求」の記録を、ここに。
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Soundscape ―― 音の探求

大分県姫島、アサギマダラが飛ぶ風景 写真/ 蓮井幹生
4 Contents
6 サウンドスケープとはなにか?
鳥越けい子/サウンドスケープ・デザイナー、
青山学院大学名誉教授、
日本サウンドスケープ協会代表理事
10 音の探求の原点
嶺島伸治/環境スペース(株)代表取締役
12 サウンドスケープの世界をつなぐ越境力
上田泰孝/(株)音装エンジニアリング代表取締役、
環境スペース(株)顧問
14 建築と音環境:これからのサウンドスケープのために
佐藤尚巳
/(公社)日本建築家協会会長、(株)佐藤尚巳建築研究所代表
古谷誠章
/(有)ナスカ代表取締役、(公社)日本建築士会連合会会長、
(一社)東京建築士会 元会長、早稲田大学栄誉フェロー
鴛海浩康
/(一社)東京建築士会 専務理事、(公社)日本建築士会連合会 理事
24 Soundscape Voice #01
中原典人/UDS(株)代表取締役
池貝知子/(株)ikg代表
智田邦徳/音楽療法士
杉山朗子/(株)日本カラーデザイン研究所
26 sound & vision 街の音と風景
岡山理香/東京都市大学 建築・デザイン史 教授
30 アコースティックデザイン宣言
若杉浩一/武蔵野美術大学クリエイティブイノベーション学科教授
大山 宏/日本音響エンジニアリング(株)企画部 研究開発室
藤原義一/DAIKEN(株)R&Dセンター環境測定室
37 Soundscape Voice #02
小玉 文/アートディレクター
吉本大史/(株)ヨシモトアソシエイツ代表
小坂 竜/(株)乃村工藝社クリエイティブ本部チーフデザイン
オフィサー A.N.D代表
窪田 茂/Degins JP(株)代表取締役 奥田公介/カフェラジオプラント
オーナー
40 <環境スペース・プロジェクト>
GMOグローバルスタジオ森田恭通/(株)グラマラス代表取締役
44 <環境スペース・プロジェクト>
レクリエーションスペースプロジェクト UDS(株)
代表取締役 中原典人、UDS COMPATH チーフ 荒川直輝、
UDS COMPATH マネージャー 岡田 遼
人の五感に影響を与える映画館づくり浅井 隆
/(有)アップリンク代表× 嶺島伸治/環境スペース(株)代表
52 映画と音について思う 二、三のこと
高崎卓馬/クリエイティブ・ディレクター、小説家
54 ユニバーサルシアター「シネマ・チュプキ・タバタ」
平塚千穂子/CINEMA Chupki TABATA代表
58 FENDER FLAGSHIP TOKYOとKEF Music Galleryにおける音の工夫
アストリッド・クライン、マーク・ダイサム、久山幸成
(以上クライン・ダイサム・アーキテクツ)、
嶺島伸治
64 <環境スペース・プロジェクト>
フェリーチェ音楽ホール
68 <環境スペース・プロジェクト>
橋本 忍プロデュース
原宿駅前ステージ/ミレニアム・ダンス・コンプレックスTOKYO
71 <環境スペース・プロジェクト>
長く愛されるライブハウス、ダンススタジオ
72 <環境スペース・プロジェクト>
音楽ホールと音楽サロン
74 <環境スペース・プロジェクト>
Ebila Hall
76 音と声がもたらす科学的影響力
山﨑広子/(一社)声・脳・教育研究所代表理事
78 音と空間がもたらす精神的充足
小泉 裕/IDÉAL TOKYO
80 音と心と体
斉藤尋己/作曲家、サウンドスケープ・デザイナー
82 風呂場と音の極楽な関係
栗生はるか/(一社)せんとうとまち代表理事、
文京建築会ユース代表
84 環境スペースの手法
音響設計/音響手法/測定について
88 <環境スペース・プロジェクト>
EBISUTA
92 会社概要・沿革
93 終わりに
94 無音の風景 蓮井幹生/写真家
96 奥付
サウンドスケープとはなにか?
サウンドスケープ・デザイナー 青山学院大学名誉教授
日本サウンドスケープ協会代表理事
鳥越けい子
インタビュー:EBISUTAで音の明瞭度を感じながら
インタビュアー シアムメディア研究所
構成・文 秋川ゆか
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「風聴亭」。古材の小屋組をいかした2階の家族室から、ベランダや庭を見通す。屋敷林をわたる風、鳥のさえずり、つくばいをつたう水に、古い建具の開け閉ての音も加わり、音の見晴らしのいい家だ。
環境スペース株式会社 顧問 上田泰孝
「ハノイ音楽ホール」、客席側を見る。
「ハノイ音楽ホール」の杮落としのコンサート(2014年)
環境スペース顧問の上田泰孝は、35年以上にわたり建築音響の最前線を歩んできた「音の探求」の体現者です。大手ゼネコンでの研究から国内外のホール施工まで、その足跡は多岐にわたります。
なかでも、ピアニストのダン・タイ・ソン氏と挑んだ「ハノイ音楽ホール」のプロジェクトは、彼の設計観を深化させる大きな転機となりました。言葉の壁を超え、アーティストが求める響きを追求し、満場の拍手に包まれた経験は、単なる遮音を超えた「感情を動かす音環境」の重要性を浮き彫りにしました。
上田が提唱するのは、音を「解釈」の対象として捉える視点です。音がどう知覚され、記憶に刻まれるかという文脈を重視し、「間」や「テンポ」といった時間的要素を設計に落とし込む。これこそが環境スペースの目指す革新的なソリューションの核です。
現在はAI技術やアプリ開発も積極的に取り入れつつ、知見を次世代へ繋ぐ育成にも注力しています。上田の持つ「越境力」は、これからのサウンドスケープを牽引する強力な原動力となっています。
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音環境と建築: これからのサウンドスケープのために
(株)佐藤尚巳建築研究所 代表 (公社)日本建築家協会会長
佐藤 尚巳 / Naomi Sato
(有)ナスカ一級建築士事務所 共同主宰 早稲田大学栄誉フェロー
(公社)日本建築士会連合会会長 (一社)東京建築士会 元会長
古谷 誠章 / Nobuaki Furuya
( 一社 )東京建築士会専務理事
鴛海 浩康 / Hiroyasu Oshiumi
わき芸術文化交流館いわきアリオス・大ホール(2008年、福島県いわき市 )設計:佐藤尚巳建築研究所
鼎談:建築と音環境 ― これからのサウンドスケープのために
本鼎談では、第一線で活躍する建築家と専門家が、自身の原体験をもとに「音と建築」の不可分な関係を紐解きます。理想の響きを追い求めたホール設計の歩みから、都市における「閉ざす設計」と地方における「開く設計」の対比、さらには日本固有の「外的な環境を受け入れる風土」まで議論は多角的に展開。音響性能と多目的性の両立が求められる現代において、AIや電気的補正といった新技術を認めつつも、最終的には「小さな音が明瞭に届く驚き」や「人々の活動が漏れ聞こえる気配」こそが、場所を「共感の空間」に変え、地域の個性を形作るサウンドスケープの本質であると結論づけています。
設計:吉村順三設計事務所音響設計:ヤマハ音響研究所(清水寧)写真:楠瀬友将資料提供:八ヶ岳高原音楽堂八ヶ岳高原音楽堂サイト
https://www.yatsugatake.co.jp/ongakudo/
設計:古谷誠章 +NASCA+ 茅野市設計事務所協会 JV
鹿島市民文化ホールSAKURAS(2023年、佐賀県鹿島市)
設計:古谷誠章 +NASCA
佐藤 尚巳 氏(日本建築家協会会長)
高校時代の演奏会での落胆を機に、理想の響きを追求。東京国際フォーラム等の経験から、都市部では騒音を遮断し環境を制御する「クローズドな空間」の重要性を説く。一方、施工現場と連携し「4階席まで声が明瞭に届く」ホールを実現。日本の風土を背景に、人々が音で繋がる「共感の空間」としての公共建築を追求している。
古谷 誠章 氏(早稲田大学栄誉フェロー)
演劇体験を原点に「閉ざされたハコをいかに開くか」を提唱。茅野市民館では、ホールから漏れ聞こえる音が人々の活動を誘う「音の漏れ」を重視した。AI等の新技術を認めつつも、日常が「晴れの舞台」へと変わるリアルな驚きを大切にする。音響性能と開放性を両立させた「屋根付き広場」のような空間に、未来の可能性を見出す。
鴛海 浩康 氏(東京建築士会 専務理事)
八ヶ岳高原音楽堂のように、自然の音をあえて取り込む空間の豊かさに着目する一方、都市の集合住宅における騒音対策など日常の課題も重視する。音環境を扱う教育現場の少なさを危惧。アリーナ建設が進む現代こそ、地域の文化を支える「良質な響き」と「多目的性」を両立させる、設計者の高度な知見が必要であると訴える。
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アコースティックデザイン宣言
よい音響のために必要なのは、 空間デザイナーと
音響エンジニアが 理解しあうこと
武蔵野美術大学 造形構想学部クリエイティブイノベーション学科 教授
若杉浩一 / Koichi Wakasugi
日本音響エンジニアリング(株) 企画部研究開発室シニアエンジニア、環境計量士
大山 宏 / Hiroshi Oyama
DAIKEN(株) R&Dセンター環境測定室
藤原義一 / Yoshikazu Fujiwara
内田洋行を退職後、武蔵野美術大学で教鞭を執る若杉浩一さん、住宅建材などを幅広く扱うDAIKEN(9月26日、大建工業より社名変更)に勤める藤原義一さん、音楽スタジオや音響室の設計・施工に携わる日本音響エンジニアリングの大山宏さん。分野の異なるこの3人の共通点は、空間における〝音〟のあり方に心を砕いていることだ。共同で「アコースティックデザインフォーラム」を設立し、〝音〟のデザインの重要性を発信している。近年、新型コロナウイルスの影響でオンラインでのコミュニケーションを余儀なくされ、さらに〝音〟に敏感になったという3人にお話を聞いた。
インタビュアー
シアムメディア研究所 構成・文 阪口公子
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写真 2 大建工業の改修例、ある企業の役員会議室。マイクなしでも、両端まで音が通るようになった。
若杉 :2万ヘルツ(Hz)以上の聞こえない音も、実は振動として身体に入ってきていて、それを脳はきちんと管理しているというんです。ところが都市は人工音に溢れかえっていて、それが免疫性の低下や認知症の原因にもなっているらしいです。だから医学的にも、空間的にも、音を重要視しなければならない。音のプロだけでなく、空間設計に関わる人、素材のメーカー、医学の研究者、みんながプレイヤーとなって徒党を組んで推進していく必要があります。など。。。
<環境スペース・プロジェクト #1〜#9>
#3 : 人の五感に 影響を与える 映画館づくり
アップリンク吉祥寺、アップリンク京都
有限会社アップリンク ; ; 環境スペース株式会社
浅井 隆 × 嶺島 伸治
観客の映像体験への没入感・臨場感を高めるために、映画館における音の役割は大きい。映画館の音のデザインはどうなっているのだろうか。2018年12月に吉祥寺パルコにアップリンク吉祥寺を、2020年6月にはリニューアルした京都新風館にアップリンク京都をオープンした浅井隆さんと、2館の音響設計・施工で一緒に仕事をした嶺島伸治さんに話を聞いた。
構成・文 新川博己
空間写真 村田雄彦
人物写真 千葉正人
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浅井 :東映の試写室って行かれたことあります?僕の知っている限り、空間の遮音性では日本で一番だと思いますね。残響音が完全に制御されていて、まったくない。映画の音づくりの風景というのは、反響音はゼロなんです。すべての音はスピーカーから出す。反響音もスピーカーから出すという考え方です。音楽ホールなどはそうではなくて、残響率を計算し、反射板を付けたりして空間をつくっている。
嶺島 :映画館は吸音材で音を反響させないのがいいとされていますからね。・・・・・
音の未来を共に探求しませんか?
「音」は単なる物理現象ではなく、私たちの記憶や感情を形作る大切な風景(サウンドスケープ)です。環境スペースは、各界の第一線で活躍する建築家、デザイナー、アーティストとの対話を通じて、この目に見えない価値を次世代へ繋ぐ「音の探求」を続けています。
2025年10月に発行された『Soundscape―音の探求』は、建築・芸術・科学の視点が交差する一冊です。全100ページにわたり、未来の音環境を牽引するための知見と情熱を凝縮しました。本質的な音の在り方を求めるすべての方へ、私たちの探求の記録を届けたいと願っています。
【Concept Book 2025 詳細】
・タイトル: Soundscape ―― 音の探求
・発行日: 2025年10月23日
・定価: 1,650円(税込)
・発行人: 嶺島伸治(環境スペース株式会社 代表取締役)
・企画構成:一般社団法人テンポロジー 未来機構
・編集制作・進行:シアムメディア研究所
・編集主幹:渡部 隆
・編集補助:豊永郁代
・ライター:秋川ゆか、菊地尊也、阪口公子、清水 潤、新川博己、中川寛子、矢島由佳子、山本日向子
・デザイン:後藤圭介(OUTSIGHTGRAPHICS)、平野達郎(root design workshop)
・撮影:千葉正人、平野達郎
【お申し込み方法】 本書をご希望の方は、以下のリンクまたはQRコードから専用フォームへお進みください。
皆様と共に、より豊かな音風景を描ける日を楽しみにしております。
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