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8月です!
関東地方も梅雨が明け、いよいよ本格的な夏の到来ですね。
先週末は台風6号の影響で、進路にあたる地域のイベントが中止や延期になったりもしましたが、危ぶまれた隅田川の花火大会は無事に開催され、これから約1か月間、全国各地の花火大会が目白押しになるシーズンです。
夏のすずみは両国の 出船入り船屋形船 上がる龍勢星くだり 玉屋が取り持つ縁かいな
明治時代に、高座の座敷歌として流行した『縁かいな』という俗曲の一節です。
今も昔も、花火大会は夏のデートの定番だったんですね。
国で花火を楽しんでいるうちに、すっかり仲睦まじくなる男女の様子が唄われています。
当時の花火は今のように連続して打ちあがらず、少し間があいていたので、その間に親密度がアップしたことを「玉屋が取り持つ縁」と唄っているのです。
なかなか洒落ていますね。
さてここからは、環境スペースのブログらしく、花火の「音」にクローズアップしてみたいと思います。
打ち上げ花火の音の大きさはどのくらい?
茨城県の花火大会で、打ち上げ地点から700m程度離れた地点で約110dB(デシベル)を計測したというデータがあります。
騒音の大きさは音源から1mの距離で測ることも多いので、この花火の音も、仮に1mの距離だと何dBになるのか計算してみましょう。
打ちあがった高さが300mであれば、破裂点から計測点までの距離は約760m。
ピタゴラスの定理
距離減衰を考慮して計算すると、破裂から1mの地点では約170dBの音が発生していると考えられます。
(公益社団法人 日本騒音制御工学会の記述データを参考にしました)
電車が通るガード下の騒音が約120dB。
人の耳では、10dB上がると音が倍の大きさになったように感じると言われていますので・・・。
・・・とても想像できません(笑)。
花火の「音」の楽しみ方
日本の花火技術は世界一と言われています。
ヨーロッパの花火は、主に中世の貴族がお城の中から楽しむものだったので、正面から綺麗に見えればそれでよかったのですが、日本では、庶民が川辺などの屋外から眺めるものだったので、地上のどこから見ても美しい円に見える必要があり、その技術が磨かれていったと言われています。
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メルボルンの花火
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ベルリンの花火(大晦日)
なので、イタリアやスペインでは、花火の轟音だけを競うコンテストなども開催されているのに対して、日本では、夜、鮮やかに美しく咲く大玉を目で楽しむことが主流になっていきました。
ところがそんな日本でも、「昼花火」といって、煙に色をつけたり、インパクトのある音を楽しむための花火があるのをご存じでしょうか。
明るい空に浮かぶカラフルな煙を楽しむ花火もありますが、音を楽しむ花火としては「号砲(ごうほう)」「段雷(だんらい)」「万雷(ばんらい)」などがあり、花火の中に仕込む、「雷(らい)」「雷粒(らいつぶ)」と呼ばれる部品の名称に由来しています。
「号砲」は「ドン!」という音が1回、「段雷」は「ドン!ドン!ドン!」と何度か続けて音がします。
雷粒の導火線の長さを変えて時間差で破裂するしくみで、3回なら「三段雷」、5回なら「五段雷」と呼ばれます。
「万雷」も複数の雷粒が仕込まれていますが、はっきりした時間差を作らずほぼ同時に破裂させることで、「ダダダッ」とか「パラパラパラ」といった音が鳴る花火です。
大曲(秋田県)や片貝まつり(新潟県)、長良川(岐阜県)の花火大会などで昼花火が楽しめるそうですよ。
ところで、花火が打ちあがる時に「ヒュ~」という音がしますよね。
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あの音は、花火が上空に進む時に空気を切り裂く音、ではなくパイプに火薬をつめた「笛」というものを花火に備え付けて、わざと鳴らしている音なのだそうです。
「ヒュ~」を敢えて鳴らすことで花火への期待感を強め、「ドン!」という破裂音を引き立てるために、意図的に仕掛けているものなんですって。
図らずも音響心理学を応用した、見事な例だったんですね。
この夏、これから花火大会に行かれる方は、花火の「音」にも注目して楽しんでみてはいかがでしょうか。

本日7月25日は「日本住宅公団発足日(1955年)」だそうです。
日本住宅公団は、現在の「都市再生機構(UR都市機構)」の前身で、住宅に困窮する勤労者のために住宅や宅地の供給をおこなっていました。
当時、公団住宅の人気は非常に高く家賃も高かったため、なかなか手の届かない憧れの存在だったそうです。
今では当たり前の「2DK」「3DK」など「DK(ダイニングキッチン)」の表示は、公団住宅で初めて使用されたんですって。
さて、少し前のブログで、これまで環境スペースでピアノ防音室をお作りいただいた方々の夢やお悩み事、解決方法などをご紹介させていただきました。
今回は、「ドラム編」です
声楽やピアノ演奏も行うので、残響も考慮したい
まず最初にご紹介するのは、奥様は歌とピアノの先生。ご主人はドラム。
ご夫婦で音楽を楽しんでいらっしゃる、東京都 岡村様の例。
かつてアパートにお住まいの頃、電子ドラムで練習していたこともありましたが、やはりすぐに苦情が来てしまい、断念。
住宅街でのドラム演奏の難しさを痛感し、いずれは生ドラムを叩ける防音室が欲しいと考えるようになりました。
そして、ご自宅を新築したタイミングで一念発起、ついに憧れの防音室を作ろうと決意。
しかし、いろいろと心配事はありました。
防音室を作ったは良いけれど、本当に音が止まるのだろうか、演奏している時、家の中でうるさく感じないだろうか。
また、岡村様の奥様が声楽やピアノ演奏もなさるので、残響も考慮したい。
※ドラムに比べて、声楽やピアノの残響時間は長めに設計するのが一般的なのです
部屋の広さは8畳。ドラムもピアノも置きたい!
そして、奥様は窓のないお部屋が苦手!
奥様のご希望通り、防音室に窓をつけることはできたのでしょうか。
また、8畳の部屋にドラムとピアノを置くために、どのようにして広さを確保したのでしょうか。
こちらからご覧ください。
木造住宅で、高い遮音性能を確保したい
次にご紹介するのは、元住宅の現場監督という厳しい目をお持ちの、体験農園のインストラクター静岡県 野口様の例。
中学3年からバンドを始め、主にロックやメタルを演奏している野口様。
いつかはスタジオ付きの家を持ちたいという夢をお持ちでした。
最初は1階の半分以上をスタジオにする大胆な計画をたてたのですが、さすがにそれは奥様に却下されたそうです(笑)
ただ、防音室を作るにあたって最大の心配事がありました。
野口様のご自宅がある場所はとにかく静かな環境で、夜になると遠くの国道を走る車の音が聞こえるほど。
元現場監督の野口様は、木造住宅で高い遮音性能を確保する難しさもよくご存じです。
ましてや、お子さんもまだ小さいので、少しでも音が漏れてしまうようなら、夜は演奏するのをやめようと思っていたほど。
環境スペースの担当者も驚いたほどの静かな場所で、果たして無事に、希望性能の防音室はできたのでしょうか。
そして、お子様が大きくなった時のために野口様が考えた、ある「策」とは・・・?
遅い時間でもご近所に気兼ねなくドラムを叩けるような防音室が欲しい
最後にご紹介するのは、ベンチャーズやグループサウンズの影響でドラムを始めた、元プロのドラマー神奈川県 守泉様の例
かつてはプロのドラマーとしてご活躍なさっていた守泉様。
最近は、お仕事帰りに趣味で演奏を楽しむことが多いので、ちょうど演奏がのってくるタイミングが夜10時頃になってしまいます。
以前お住まいの家でクレームをいただいた経験もあり、遅い時間でもご近所に気兼ねなくドラムを叩けるような防音室が欲しいと、長い間思っていたそうです。
そして、新築でご自宅を建てるタイミングで、ついに25年来(!)の夢だった防音室を作ることにしました。
ハウスメーカーさん4社に、防音室の相談をした守泉様。
ところが、出てきた値段があまりにも違いすぎて、びっくりしたそうです。
下は50万円から、上は800万円までの幅があり、何を判断基準にしたらよいのかわからなくなってしまいました・・・。
さて、困った守泉様は、このあとどのようにして工事業者を選んだのでしょうか。
そして、プロの耳を満足させる防音室は無事に完成できたのでしょうか。
長年の夢、願いを叶えたいというお客様のお力になれるよう、これからも環境スペースは、知識・技術・アイデアを進化させて参ります。
心配事も、遠慮なくご相談ください。

※編注※ 記事中の日付については全て掲載当時のものです。また、イベント等も社会情勢により変更・中止になる場合がございますので予めご了承ください。
今週末から土用入りですね。
夏の土用は、7月20日から8月7日。
一年の中でもっとも暑さが厳しいとされる時期にあたるため、昔からこの期間の「丑の日」に、薬草風呂に入ったり、お灸をすえたり、うなぎを食べたりすることで夏バテを予防・解消していました。
また、夏の土用は梅雨明けの時期とも重なるため、「土用の虫干し」と言って、大切な衣類や書物などに風を当てて陰干しをする習慣もあったそうですよ。
関東地方もいよいよ来週あたり梅雨明け、と言われています。
ようやく部屋干しから解放される!と待ち遠しい方も多いのではないでしょうか。
さてそんな中、各地で「風鈴」を楽しむイベントが真っ盛り。
色とりどりの風鈴がずらっと並ぶ風景は、見ているだけでも涼やかな気持ちになりますね。
風鈴は、元々は中国で占いの道具として使われていました。
「占風鐸(せんふうたく)」といって、風向きや音の鳴り方などで吉凶を占っていたものが、奈良時代になって「魔除け」として日本に伝わりました。
当時、強い風は流行り病や邪気を運んでくる災いのもととされ、風鐸を掛けることによって、その邪気を払ってくれると考えられていました。
ただし、当時の風鐸は、今のように涼やかな音ではなく、鈍くて重い音だったと言います。
平安時代には、貴族たちがお屋敷の縁側に魔除けとして風鈴を下げるようになります。
更に江戸時代、西洋からガラスの製造方法が伝えられ、現在でもおなじみのガラス製の風鈴が誕生します。
しかし当時はまだガラス製品は大変高価なものでしたので、風鈴が庶民に広まったのは明治時代に入ってからのこと。
そしてこの頃から、元々の魔除けの意味だけでなく、夏の風物詩として風鈴の「音」をを楽しむ文化も形成されていきました。
更にこの風鈴の「音」は、日本特有の気候にも関係があります。
多湿な日本の夏において、風が吹くと気温の変化がなくても涼しいと体感していた日本人は、風鈴の音を聴くことによって、風が吹いている=涼しい と脳が思い込むのだそうです。
ですから、風鈴に馴染みのない外国の方や若い世代の方には、あまり効果がないという実験結果もあるようです。
先日会った友人の子どもは、「風鈴?なにそれ?」と言っていたのでびっくりしましたが、マンションに住んでいたら知らなくて当然か、と納得しちゃいました。
大人世代には情緒的にも感じられる風鈴の音ですが、東京都環境局のホームページでは「生活騒音」の一部として挙げられているのをご存じでしょうか。
オートバイの空ぶかし音や、ペットの鳴き声などと同列で「風鈴の音」が書かれています。
音の感じ方は人それぞれ。
ある人にとっては心地いい音色でも、別の人にとっては苦痛でしかない、なんてことも昨今ではよくあることです。
ご近所に迷惑をかけずに、情緒ある風鈴の音色を楽しみたい場合は
- ・できるだけ室内に吊るす(カーテンレールの内側などに掛けておけば、外に響きにくくなる)
- ・外に出せる環境であっても、夜間や風の強い日は避ける。
- ・騒音問題を考慮した、音の小さい室内用の風鈴を使う
状況に応じて上手に工夫することが大切ですね。
一方で、岩手県のJR水沢駅ホームでは、毎年6月から8月にかけて、当地で制作された「南部風鈴」がたくさん飾られます。
南部鉄器特有の、「リーン」という澄んだ音と響きは、環境省の「残したい日本の音百選」にも選ばれるほど。
3,000ヘルツの高周波音帯は、小川のせせらぎや鳥のさえずりなどと同じ、深いリラクゼーション効果がたっぷりです。
ぜひ一度訪れてみたいものですね。
このような楽しみ方は駅のホームならでは。
やはり住宅地で音を楽しみたいと思ったら、風鈴しかり、楽器の音しかり、できるだけ周りに配慮して、迷惑を掛けないようにすることも、音を愛する私たちのマナーなのでしょうね。

先日、数年ぶりに蔵前に遊びに行ったのですが、ずいぶんおしゃれになっていて驚きました。
友人には、「今更?」と笑われましたが、近年は「東京のブルックリン」とも称されて、人気が高まっているのだそうですね。
古い長屋をリノベーションした工房やカフェなども立ち並び、川向こうのスカイツリーを見上げながら気の向くままにお散歩。
久しぶりに、時間を忘れてゆったりと過ごすことができました。
そういえば、古民家カフェなども各地で人気を集めていますよね。
木造建築の良さが再認識されているのではと感じています。
現在の住宅の多くは、木造・鉄骨造・RC(鉄筋コンクリート)造が主流です。
それぞれに長所・短所はありますが、遮音性が高いのは、RC→鉄骨→木造 の順。
学生時代に住んでいた古い木造アパートは、隣の人の生活音が丸聞こえで、見ているテレビの番組までわかってしまうほどだったのを思い出しました。
今となっては、懐かしい思い出です。
話はずいぶんさかのぼりますが、江戸の頃より、日本の住宅と言えば長屋が主流で、ご近所づきあいが当たり前の時代がありました。
そもそも、プライバシーを気にするような文化ではなかったのでしょう。
「椀と箸 持って来やれと 壁をぶち」という川柳に見て取れるように、困った時はお互い様、米味噌の貸し借りやおすそ分けも日常的な時代。
住宅において、遮音性はそれほど求められていなかったと思われます。
木造住宅は「遮音」の面だけを見るとどうしても性能が劣りますが、実は「吸音」は得意だという性質を持っています。
※遮音:音声が外部にもれたり内部に入り込んだりしないように遮断すること。防音。
※吸音:音波を吸収すること。 いずれも広辞苑より
詳しくはこちらをご覧ください。吸音・遮音・防音・・・正しく使い分けていますか?
現代においても、木造住宅のいわゆる「和室」では、畳やふすまなどが使われていることが多いですね。
柱の木材、畳のい草、ふすまの和紙、土壁や砂壁など。
これらの素材は石やコンクリートなどに比べて反響しないため、和室は、実は吸音性が高い部屋なんです。
例えば、畳のように、多くの空気を含んだスポンジのような構造のものは、音を取り込みその中で拡散させることによって、音を吸収しています。
木材も同様に、多孔質な建材です。
低音から高音までバランス良く吸収する働きを持っているため、木造住宅では不快な雑音が吸収され、音がまろやかになるのです。
また、木造住宅は、四季がある日本の風土に実にマッチした建物でもあります。
木材や畳は熱伝導率が低く、吸湿性も併せ持っているため、夏場の室内温度上昇を防いだり、湿度をコントロールするのに長けています。
特に畳のい草は、湿気だけでなく、二酸化窒素やホルムアルデヒドなどの有害物質を吸着する力も持っていますので、「天然の空気清浄器」などと呼ばれていたりもします。
また、ご存じのように日本は地震大国です。
全世界で起こる、M6以上の地震の20%以上は日本で発生しているというデータがあります。
木材は、湿度によって伸び縮みする性質をもっているくらい、しなやかな建材です。
釘だけに頼らず、木と木を組み合わせて造り上げる建築法なども古くから確立されており、木造住宅の耐震性は、とても高いのです。
現存する世界最古の木造建造物は、奈良県にある法隆寺といわれています。
607年に聖徳太子が創建したと言いますから、築1,300年を超える歴史的建造物です。
そして、現在までM7以上の地震を46回も経験していながら、見事に耐え抜いています。
先日、川向こうに見上げたスカイツリーは、法隆寺の五重塔の耐震構造を参考にしているのだそうです。
1,300年前の技術が、時空を超えて現代に受け継がれていることは、何とも感慨深いですね。
「八百万の神」を信じ、自然を拝み、共に生活してきた古き日本の人々。
現代の私たちが木の建築物自体に敬意や親しみを持つことは、ごく当たり前の感覚なのかも知れませんね。
環境スペースでは、和室や天然素材を生かした防音室もご提案しております。
こんなことできるかな、と悩んだら、お気軽にお問い合わせください。

今週日曜日は七夕ですね。
みなさんの願い事は何ですか?
本日は、七夕の願い事にちなんで、これまで環境スペースで防音室をお作りいただいた方々の、夢や希望、お悩み事や解決方法などを、ほんの少しですがご紹介したいと思います。
近隣から防音工事の申し入れがあって…。ウィーンへの留学経験もあるピアノ教室の先生、千葉県の吉野様の例。
30年近くピアノ教室を主宰されている吉野様。
教室は、お住まいの近くのマンションの一室で、レッスンは朝9時から夜9時まで。土日もあります。
12畳の部屋でグランドピアノが2台、ドラムなど他の楽器とセッションすることも。
押入れと本棚を置いて簡単に吸音していましたが、住民の方はお仕事などで日中不在のことが多く、特に何も言われたことはありませんでした。
ところが、近隣の住人が変わられて状況が一変。
管理組合から、防音対策をしてほしいという申し入れがあったのがきっかけです。
音楽雑誌に掲載されていた防音工事業者のリストを頼りに、15社くらいに問合せ。
当初考えていた予算では納まりそうになく、「ピアノ可」の賃貸物件を探したりもしましたが、音を出しても良い環境とは、カラオケや居酒屋のあるビルなどが多かったのだそうです。
吉野様の生徒さんには小さいお子さんも多く、お子さんとそのお母さんたちのコミュニケーションの場としても環境は大事にしたいという想いから、一時的にお金がかかってもしっかり防音工事をしよう、という決断に至りました。
このあと、どのように業者を選んだのか、最終的に防音工事の価格はどのくらいになったのか。
そして、レッスンへの嬉しい影響とは。ぜひこちらからご覧ください。
娘さんの音楽高校入学を機に防音室を検討!東京都の新谷様の例
江戸川区のマンションにお住まいの新谷様。
最初はアップライトピアノの後ろの壁に毛布を貼って防音対策をなさっていました。
その後、パネル型の防音室に変えたところ、近隣の方から「最近ピアノの音が小さくなったわね」と言われるように。
でも、「小さくなった」ということは、やっぱり聞こえてしまっているということなので、近隣の方に聞こえないくらいのきちんとした防音室が欲しいと思うようになりました。
娘さんが音楽高校に見事合格。新谷様はピアノの先生から、グランドピアノの購入を勧められます。
グランドピアノが入るサイズの、中古のパネル型防音室を紹介してもらいましたが、天井が低く、どうも息苦しい。
また、パネル型の防音室は、音楽ホールと比べたときの音の響きが全然違うので、練習環境を整えてあげたいという気持ちも以前からあったため、せっかく防音室を作るんだったらきちんと要望を叶えてもらったほうが良いと考え、防音工事を決意なさいました。
さて、防音室が完成して、どんなことが変わったのでしょうか。
さらに、女性ならではの、収納や壁紙へのこだわりもオーダーメイドなら叶えられる!こちらからご覧ください。
戸建の新築住宅をご購入のタイミングで防音室を!埼玉県のピアニスト 菅沼様の例
コンサートでの演奏を中心に活動されている菅沼様。
新築に引っ越す前は、賃貸マンションの自室で練習なさっていました。
もともと、グランドピアノという条件をつけていたのでピアノを弾く方も多く、あまり気兼ねせずに練習ができていました。
演奏活動をしながら、いずれはピアノ教室も開きたいという夢をお持ちでしたが、そのマンションは契約の関係で営業をしてはいけない物件でした。
ご実家では、庭とリビングにボックス型の防音室を設置していましたが、決まったサイズなのでどうしても無駄なスペースが多くできてしまうこと、そして、ボックス内に圧迫感があると感じていたので、ご自身で家を持つときには、絶対オーダーメイドの防音室をつくりたいと思っていたのだそうです。
甲斐あって、条件のいい新築物件に巡り合えた菅沼様。
ところが、お部屋の天井は、梁や配管でデコボコの形状。
また、ご使用のピアノはコンサートサイズに近い大型のものなので、簡単に搬入できません。
さて、デコボコの天井の無駄をなくした作りとは?
そして、大型ピアノは無事に搬入できたのでしょうか?
お客様の願いが叶うように、環境スペースはこれからもお困りごとを解決し、お悩みを解消するべく努力を続けて参ります。
ささいなことでも結構ですので、お気軽にお問い合わせください。

いよいよ今週末、日本初開催となる「G20サミット」が大阪で開催されますね。
世界経済をはじめとした幅広い議論や国際都市大阪の魅力発信を、大いに期待したいですね。
つい、ニュースを見ながら、付近の観光施設などを片っ端から調べて、旅行気分にひたってしまいました。
さて、話はがらっと変わりますが、みなさんが防音室を作りたいな、と思った時に遮音性能とともに一番調べたいのは費用、価格ではないでしょうか。
ピアノ室やドラム室の防音工事費用の目安は、こちらからご覧になれます。
文中にも表記がありますが、これらの表示価格はあくまで「目安」をご紹介しています。
また「建物の構造体、地域等により変動がある場合があります」とも。
「変動」って?そんなに変わるものなの?
何が影響するの?
平方メートルあたりいくら、とかすぐ出してもらえないの?
細かいこととかあれこれ聞かれるの面倒だなぁ・・・。
お気持ちは、よーくわかります。
ただでさえ忙しい現代生活、できることなら、防音工事の費用などもさくっと気軽に知りたいですよね。
ですが、この「変動」する部分を少しでも正確に把握して、お客様に最適なご提案ができるように、いろいろと質問をさせていただきたいのです。
そこで、実際にお聞きしている項目と、なぜその質問が必要なのか、ほんの一部ですがご紹介しますね。
ご相談のきっかけ、お悩み
「防音室を作りたいんです」とお電話くださる方には、必ずその理由をお尋ねしています。/p>
「娘が音大を受験するので、夜遅くでも練習できる部屋が欲しい」
「マンションの下の階の方から苦情があって・・・」など、理由は様々。
時には「隣の部屋がうるさくて眠れないので防音室を作りたい」とご相談を受けることもありますが、まず管理会社へ相談してみては、など、お客様の負担にならない解決方法がある場合も。
演奏する楽器、音源、人数など
楽器の音圧や周波数によって、防音の方法や程度が異なります。
一般的には、低い周波数の音は高い音に比べて防音しにくいものです。
市販の遮音カーテンなどは、高い音にはある程度効果が期待できますが、低い音を防音するのは苦手なアイテムです。
また、ピアノやチェロなどのように、ペダルやエンドピンから直接床に音が伝わってしまう「固体伝搬音」が強い楽器の場合は、壁を厚くしたり窓を二重にするだけでは不十分です。
床を「浮かせて」振動を伝えない工事が必要不可欠になるのです。
ドラムや、ギター・ベースのアンプなども要注意ですね。
(他の楽器であっても、一定の遮音性能が求められる場合は同様の工事が基本となります。)
・楽器のサイズや演奏方法、人数などを考慮し、最低必要な部屋の広さや天井高を確認します。
防音室を作ると必然的にお部屋は狭くなってしまいますので、<グランドピアノは部屋に入るのか、バイオリンの弓は天井に当たらないか、などは当然大事なポイントです。
物件の住所(または最寄駅)、演奏したい時間帯
住宅地か繁華街か、幹線道路沿いか、などによって、周辺の騒音レベルを推測します。
また、夜遅い時間帯に演奏する場合は、より高い遮音性能が必要になってきます。
建物の構造や築年数
木造かRCか、など、建物の構造によって防音性は異なります。
また、防音室を作るにあたり、荷重は必ず考慮しなくてはなりません。
物質は「重いものほど遮音性が高い」という法則がありますので、必然的に防音室そのものは「重い」構造となります。
そこに楽器の重さも加わるため、建物の構造や築年数などから、重さに耐えられるかを予測します。
戸建の場合は付近の地盤の強度が影響する場合もあります。
更に、新築戸建の場合、家ができあがってから防音工事をするよりも、ハウスメーカーさんに協力していただき、新築の建築途中に防音工事を同時進行することができれば、費用も工期も抑えられる場合が多いです。
その他にも、
・ダンスの場合はジャンル
→(例)バレエとフラメンコでは発生する振動や適性な床材が違う
・商業施設の場合は、他階や隣の業態・営業時間
→(例)下階が居酒屋なのか学習塾なのかによって、求める遮音性能も変わる。など
基本は実際に現地を拝見して正確なお見積りをお出しするのですが、事前にできるだけ多くの情報がいただけるほど、ご提案の内容もお見積りの精度も高めることができます。
お問い合せいただいた際にあれやこれや質問するのは、こういった理由があるからなんですね。
防音室を作りたいな、と思ったら、ご相談、お見積りは無料で承っています。
お気軽にお問い合わせくださいね。

新潟県、山形県で大きな地震がありました。
お怪我をなさった方、避難をされている方をはじめ、被害にあわれた方々の一日も早い回復、復興を願います。
全国的に梅雨まっただ中。
今週は比較的晴れている地域が多いようですが、週末にはまたお天気がぐずついてしまいそうな予報です。
洗濯物も乾かないし、部屋干しするとお部屋全体が湿っぽくなるし・・・で、お悩みの方も多いですよね。
特に防音室は気密性の高い構造になっていますし、何より大事な楽器を置いていますから、一般のお部屋よりも温度・湿度には敏感になってしまいますよね。
防音室ってエアコンつけても音は漏れないの?と気になっている皆様、「防音室のエアコン事情(2018/07/17付ブログ)」で詳しくご紹介していますので、ぜひご一読くださいませ。
本日は、防音室内の湿度と楽器への影響についてお話ししたいと思います。
いずれの楽器も湿度50%が望ましい
楽器は生きものだとよく言われます。
特に木でできているものは、湿度の影響を強く受けやすいですね。
ピアノ然り、クラリネットやオーボエなどの管楽器、バイオリンやチェロ、ギター、ベースなどの弦楽器、ドラムなどの打楽器にも、木製のパーツがたくさん使われています。
一般的に、楽器全般においては「乾燥」が大敵と言われていますが、高すぎる湿度も、楽器にとって決して良い環境ではありません。
結論からお伝えすると、いずれの楽器も50%前後の湿度が適切と言われています。
防音室内の湿度を日々チェックするためにも、湿度計はぜひ用意したいアイテムです。
お手頃な値段のものもありますので、惜しまずに買っておきたいですね。
湿度を保てないと不具合が起こる可能性も…
防音室にエアコンを設置している場合は、ドライ機能を活用しましょう。
特に、梅雨から夏が終わる頃までの日本の平均湿度は、75%以上にもなります。
これに加えて、演奏者の体温上昇(汗)や呼気などによって<、密閉空間である防音室内は、あっという間に大変なことに。
場合によっては、ドライ機能だけでは50%程度まで湿度を下げるのがむずかしいケースも。
そのような時は、エアコン以外に除湿機を用意したり、楽器用の除湿剤・乾燥剤を併用して、防音室内の湿度を上手に調整するようにしましょう。
実際、湿度が高すぎると楽器にどのような影響が出てしまうのでしょうか。
例えばピアノの場合、湿度が高すぎると
- ・響板が湿気を吸って膨張するため、弦が引っ張られてピッチが高くなる(特に中音域)
- ・鍵盤が下がったまま戻らなくなったり、戻るのが遅くなったりする
- ・ピアノ内部に錆が発生し、最悪の場合は断弦が起きてしまう
などの現象が現れます。極端な例ではありますが、恐ろしいですよね。
ピアノ以外の楽器でも、ギターやベースなどでは
- ・振動が抑えられるため、鳴りが悪くなってしまう
- ・ネックが反る
- ・ボディーが膨張し、弦高が高くなる
- ・フレット浮き
- ・金属部分の錆や腐食
などの現象が発生してしまいます。
ちなみに、アコースティックギターの3大メーカーでもあるマーチン、ギブソン、テイラーの各工場でも、常に40%~50%の範囲内で各メーカーの定めた湿度を厳格に保つように管理されています。
おもしろいのはピアノで、日本国内のメーカーでは、適切湿度を50%としているものが一般的なのですが、ヨーロッパのものの多くは40%台が推奨されているのだそう。
日本と比べて乾燥したヨーロッパの気候にあった作りになっているのですね。
楽器の設置場所も配慮する
音のピッチや響きだけでなく、大事な楽器そのものを長持ちさせるためにも、防音室の湿度管理はしっかり行うようにしましょう。
楽器の設置場所にも配慮が必要です。
- ・風通しの悪い場所を避ける
- ・直射日光、西日が長時間あたる場所を避ける
- ・窓からは遠い方が良い(近すぎると冬場、楽器の内部が結露しやすくなる)
- ・エアコンの風が直接当たらない場所を選ぶ
などなど・・・
特に、ピアノなど一度設置したら簡単に位置を動かせないような大型楽器の場合は防音室を作る際に、防音室内の楽器と設備の配置を綿密に設計することをお勧めします。
環境スペースの防音室は全てオーダーメイドなので、お客様のお部屋の形や間取りに応じて適切に設計することが可能です。
これから防音室を、とお考えのみなさま、ぜひ一度環境スペースまでご相談くださいませ。
お客様と、お客様の大事な楽器が喜ぶ防音室をご提案させていただきます。

みなさま、こんにちは。
関東甲信越も梅雨入りし、紫陽花の映える季節になりましたね。
さて前回のブログで、専門用語がわかりづらい、という話をご紹介させていだきました。
そこで、今回は防音室の性能の話をする時に避けて通れない数値の話をしたいと思います。
今回説明させていただくのは、以下の3つに絞りました。
- ・D値
- ・L値(LL、LH)
- ・N値(NC値)
これだけでも知っていれば、カタログなどを見た時に、性能値を理解しやすくなると思います。
少し長めですが、どうぞお付き合いください。
D値「音圧レベル差」
D値(ディーち) :遮音等級Dの数値
防音室を作ろうと思った時、おそらく一番よく目にする数値ではないでしょうか。
「D-60(ディーろくじゅう)」「D-65(ディーろくじゅうご)」のように数字がつきます。
「D」とはずばり「Difference(=差)」のDを表しているのです。
正式には、「Sound Pressure Level Difference」(音圧レベル差)と言います。

図をご覧ください。
壁を隔てて、左右に2つの部屋がありますね。
左の部屋にスピーカーがあるのがおわかりでしょうか?
このスピーカーから音を鳴らします。そして、音源のある左の部屋と、壁を隔てた右の部屋でそれぞれ音の大きさを測定します。
この大きさ(音圧レベル)の差が「D」なのです。
壁がある為、当然右の部屋で聞こえる大きさは、左の部屋よりも小さくなりますよね。
どれだけ小さくなっているか、ということはつまり、真ん中の壁がどれだけ音を遮断したか、ということになり、この値が「D値」となるわけです。
具体的に数字を入れてみましょう。
左の部屋で、90デシベル(デシベル=dB、音の大きさの単位)の音が鳴っているとします。
その時、右の部屋で音の大きさを測定すると、40デシベルでした。
すると、左右の部屋で聞こえる音の差は、90-40=50 となりますね。
つまり、この壁の遮音性能は「D-50」ということになります。
数値は、大きいほど遮音性能が高くなります。
D値のDは「Difference(=差)」のD
L値「床衝撃音レベル」
L値(エルち) :遮音等級Lの数値
さて次に、マンションなどでよく目にする「L値」というものがあります。
この「L」は「Level」のLです。
何のレベルか?というと、「Floor Impact Sound Level」(床衝撃音レベル) というわけです。
上の階の音(=衝撃)が下の部屋にどのくらい響いているかを計測します。

また、図をご覧ください。
先ほどの「D値」の時は、隣り合った部屋の間で音圧レベルの計測をしましたが、今度は上下の部屋の間で床衝撃音の計測をします。
上の階に2種類の装置があるのがおわかりでしょうか?
衝撃には「重量床衝撃源」といって、子どもが飛び跳ねるような重たいものと「軽量床衝撃源」という、スプーンを床に落としたようなものや、スリッパでぱたぱたと歩く時のような軽いものの2種類があり、それぞれを上階で発生させて、下の階で衝撃音を計測する方法を取ります。
これは、先ほどのD値のように「差」を測るものではないので、数値が大きいほど衝撃が大きい、ということになります。
すなわち、「L-40」と「L-55」では、「L-40」の方が静か、ということです。
ところで、前回のブログを読んでくださった方はお気づきかもしれませんが、「LL40」なんて数値をご紹介いたしました。
実はこの床衝撃音レベル、「LL」「LH」と表示する場合もあるのです。
これは、Lightの「L」とHeavyの「H」を意味しており・・・
そう、もうおわかりですね。
「LL」は Light-Weight Floor Impact Source 軽量床衝撃源、「LH」は Heavy-Weight Floor Impact Source 重量床衝撃源をそれぞれ表した数値となっているのです。
床衝撃音レベルの全般的な数字は「L値」、軽量床衝撃源、重量床衝撃源、というように特定する場合は「LL」「LH」を使用します。
L値のLは「Level」のL、LightとHeavyの2種類あります。
N値・NC値「騒音レベル」
N値(エヌち)・NC値(エヌシーち) :騒音等級Nの数値
最後です。
ここまで読んでくださった方は、きっと「N」も何かの頭文字だとうすうすお気づきのことでしょう。
解答を先に。
「N」は「Noise(=騒音)」のNです。
・・・ということは、数値が大きい方がノイズが大きい=うるさい、ということですね!
集合住宅の居室ではN-35からN-40程度、録音スタジオなどではN-20からN-25程度、が一般的です。
N値もNC値も「室内騒音レベル」と呼ばれており、外部騒音や給排水などの設備騒音を数値化したものです。
どちらも同じように用いられますが、L.L.Beranekという方が提案した、特に空調などの※定常騒音に使用されるものを「NC値」と呼んで区別しています。
(※定常騒音:騒音レベルがほぼ一定で、変動がほとんどない騒音のこと)
ちなみに、NC値の「C」は「Criteria(=クライテリア・基準)」のCですが、ここまでは覚えなくても大丈夫でしょう。
例えば、線路沿いのお部屋と、閑静な住宅街のお部屋とでは、そもそもの室内の静かさ・うるささが違いますよね?
防音室を作る時、全く同じスペックのものを作ったとしても、周りの室内がとても静かだった場合、小さな音でも拾って聞こえやすくなってしまうことが想像できますよね。
逆のパターンは、、室内がそこまで静かでない場合、規格通りの遮音性能ではオーバースペックになってしまうことも考えられます。もったいない。
そうならないように、あらかじめ室内騒音レベル(N値、NC値)を測定して、ご要望に見合った遮音性能を提案することができるのが、環境スペースの良いところなのです。
N値のNは「Noise(=ノイズ)」のN
いかがでしたか。
今回は、防音室の性能にまつわる、3つの数値についてご説明させていただきましたが、より詳しい内容をお知りになりたい方は、「防音の豆知識」ページや「建築音響測定」のページもぜひ併せてご覧ください。

いよいよ西日本・関東甲信越でも梅雨入り間近のようですね。
本日6月6日は「楽器の日」だそうです。
芸事は6歳の6月6日に始めると上達する、と言われており、全国楽器協会が1970年に制定しました。
指を折って、1から10まで数えると、「6」の時に小指が立ちますよね?
小指が立つ → 子が立つ 縁起の良い日なんだとか。
とは言え最近は、ベビースイミングやベビーリトミックなど、赤ちゃんの頃から始められる習いごとも増えており、低年齢化が進んでいるようですね。
ある報告によると、3歳から習いごとを始める子どもの割合が一番多いそうです。
4歳頃から増加し始め、小学校にあがる6歳には、全体の70%以上の子どもが何らかの習いごとをしている、というデータも。
長年、不動の人気は「スイミング」。
恐怖心がないうちから水に慣れさせたい、体を丈夫にさせたい、などの理由が多いそうです。
芸術系ではやはり「ピアノ」が王道。
耳が敏感になる3歳くらいから始める子どももいる一方で、鍵盤がしっかり押せて、椅子にも座っていられるくらい体ができあがる5~6歳から始めるご家庭も多いようですよ。
そういえば、私が幼い頃は「防音室」なんてものは一般家庭にはほとんど存在しておらず、ご近所さんの練習の音はダダ漏れ状態。
あまりにもはっきり聞こえるものだから、知らないうちに曲を覚えてしまっていたり、間違えやすいフレーズが耳に残っていたり。
それでも、「○○ちゃん、上手になったわね~」「もうすぐ発表会なの?」などと、母親が井戸端会議できるくらいのんびりした時代でした。
近年は、生活スタイルの多様化などから「音」の受け止め方もずいぶん変わってきているので、なかなかこうもいかないでしょうね。(良い悪い、ということではありませんのでご理解くださいね)
今は、ご近所迷惑になる前に予め防音室を作っておこう、という方がとても増えています。
「防音室」といえば、楽器の演奏などを想定した防音マンションもずいぶん一般的になってきた印象です。
音大生やプロの演奏家だけでなく、その高い遮音性から、看護師さんのように夜勤のあるお仕事で、昼間静かに睡眠をとりたい方などにも人気が高まっていますね。
「防音室」ではありませんが、最近のマンションは、ホテル並みに遮音性が高い物件も珍しくなくなりました。
例えば、遮音フローリング。
椅子を引いたり、床に軽いものを落とした時などに出る「軽量床衝撃音」というものがありますが、「L値」という数値で表すことができ、小さいほど遮音性能が高いものです。
10年ほど前まではLL45程度が一般的でしたが、最近ではLL40という値のフローリングも珍しくなくなってきました。
人が飛び跳ねたりする「重量床衝撃音」には、床のコンクリートの厚みが大きく影響します。
20年ほど前であれば150mm程度の厚みが一般的でしたが、最近では200mm以上にすることが多くなっているそうです。
また、隣の部屋の音は、壁のコンクリートが厚いほど低減され、遮音性が高いマンションでは、この厚みが180mm以上あります。
壁の遮音性能は「D値」という数値で表され、値が大きいほど遮音性能が高いものです。
集合住宅ではD-50が「好ましい水準」、D-55で「非常に遮音性が高い」とされています。
・・・と、こういった話をするとよく言われるのが、「L値とかD値とか、専門的な話をされても、あまりピンと来なくて・・・」、「数字は苦手なのよね・・・」といった感想。
よーくわかります!私も数字苦手ですもん。
ということで、次週のブログでは、遮音・防音の性能にまつわる数字の話を今まで読み飛ばしていた方にもわかりやすく解説してみたいと思います。
是非お楽しみになさってくださいね!

5月だというのに、真夏のような暑さが続いていますね。
雨で多少は和らいだでしょうか。
私事ですが、先日、20年来の友人から、アコースティックのミニライブを開催するという連絡をもらい、旧友のよしみで、リハーサルからお邪魔させていただきました♪
内輪の集まりだから、と、特にライブの宣伝もしていないようでしたが、当日はたくさんのお客様が来店されました。
本番が始まって・・・あれ?
先ほどのリハーサルと何かが少し違うことに気づきました。
あ、音の響き方が違う!
そう、みなさま、もうお気づきですね。
お客様が入っていない時は、壁や床、椅子などの硬い面で反響していた音が、お客様が入ることによって、吸音されてしまっていたのです。
そのため、リハーサルの時に聞こえていた、繊細な音の響きが弱くなっていたのですね。
思い出してみると、例えば映画館や劇場の座席は、布張りのものが多いですよね。
一般的には、人(と洋服)に近い吸音率の素材を使用することで、空席時と満席時の音響の差をできるだけ小さく抑えるようにしてあるのです。
更にそのうえで、壁や天井の材質や形状、座席の配置などに様々な工夫を凝らし、部屋や会場に合わせた、広がりのある音を響かせるようにコントロールします。
これが「音響設計」と言われるものです。
かつて、カラヤン率いるベルリン・フィルハーモニー管弦楽団が来日し、普門館で演奏を行うにあたって、専属の音響コンサルタントの方から「前方の座席の背裏にベニヤを張るように」という注文などもあったそうです。
クラシックを演奏するための最適な空間作りに、とことんこだわっていたことがうかがえますね。
こういった音響設計を行う際、重要となる点がいくつかあります。
例えば「残響時間」。
音は、音源からあらゆる方向へ放射されて壁や天井にぶつかると、一部は吸収され、一部は材質の固体の中を伝わり、残りは反射して、その空間の中に戻ります。これが残響と言われるものです。
残響が長すぎると、大浴場や室内プール、トンネルの中のように、声や音が明瞭に聞き取りにくい状態になってしまいますね。
ですので、空間内での残響がどれだけ長く響き続けるかを数値として計測し(=「残響時間」)、それをコントロールしなくてはなりません。
残響が長すぎる場合は吸音させなくてはいけませんし、逆に残響が短すぎる場合は、もっと響かせることが必要になります。
先ほど、普門館の座席にベニヤを張った例を紹介しましたが、目的はまさにこれだったわけですね。
クラシックを聴くのに最適な残響時間は2秒、と言われています。
では次に、響きすぎてしまう場合。
音は、物にぶつかると一部は吸収される、とお伝えしました。これが「吸音」です。
この吸音の大きさを数値で表したものが「吸音率」です。
吸音率の高い「吸音材」を適切に使用することで残響を少なくし、空間の音をコントロールすることができるのです。
クラシック音楽に最適な残響時間があるように、吸音率も、部屋の用途に適した数値があります。
例えば、一般的な多目的ホールの平均吸音率が0.25~0.30なのに対して、コンサートホールは0.20~0.25。ちょっと低いですね。楽器などの演奏を豊かに響かせるため、吸音を少な目に設計されているのです。
逆に、演劇などを行う劇場では0.30~0.35と、吸音率は少し高め。せりふが明瞭に聞き取れるように響きをやや抑えた設計になっているのだそう。
更に響きを抑えているのが、アナウンスブースやレコーディングブースです。
あとからエフェクトをつけたりするため、余分な残響は必要ないから、ということで、平均吸音率は0.45以上。かなり高い数値となっているのです。
実はこれ、ホールや劇場に限った話ではないんですね。
ピアノ練習用の防音室を作ったのに、音が響きすぎて頭が痛くなり、長時間の練習に耐えられない、とか、逆に吸音が強すぎるため、弾いていても全く気持ちよくない、なんて声を聞いたこともあります。
せっかく防音室を作ったのに、これではもったいないですよね。
そうならないために、環境スペースでは、お部屋の広さや形状、用途、演奏される楽器の種類や台数などを細かく伺い、オーダーメイドならではの最適なプランを提供させていただいております。
実はもう防音室はあるんだけど、音響に満足していなくて・・・という方にも朗報です!
吸音・反射の調整ができる「KSA 音響panel」というオリジナル商品もありますので、是非お気軽にご相談くださいね。
お問い合わせはこちらからどうぞ。
環境スペースは、みなさまの快適な環境作りをお手伝いいたします!

近所の小学校が賑やかです
どうやら、今週末の運動会に向けての全体練習が大詰めのようです。
そういえば、昭和生まれの私が子どもの頃は、運動会といえば秋!だったのですが、春の運動会もすっかり定着してきましたね。
秋はまだまだ残暑も厳しいため、熱中症も心配ですし、文化祭や合唱コンクールなど、ほかの学校行事も目白押し。
受験準備に入る学校もあるなどの理由で、春の開催が普及してきたと言われていますね。
新入学、クラス替えでの新しいクラスメイトと団結力を強める絶好のイベントになっているそうですよ。
お父さんお母さんより上の世代の方が子どもだった頃の競技種目は、徒競走やリレー、玉入れ、騎馬戦などが、いわゆる「花形」でした。
しかし最近は、順位を競う種目よりも、ダンスのようなアトラクション的な要素の強いものや、みんなで盛り上がれるような内容が多くなってきていますね。
「デカパン競走」「後ろ向きリレー」「四方綱引き」「移動玉入れ」・・・
名前を聞いただけでも楽しそうですね!
ところで、運動会でかかっていた曲、といってみなさんが思い浮かべる曲は何でしょうか?
定番曲と言われる曲には、クラシックの管弦楽曲や、オペレッタ(「喜歌劇」とも言われます)の楽曲が多いんです。
例えば、『天国と地獄』(オッフェンバック)
よく聞く場面:競技中
カステラ一番、電話は二番~♪でおなじみのアノ曲です。
オペレッタ「地獄のオルフェ」の劇中曲ですが、このオペレッタ、元々はギリシア神話の悲劇を元にしたオペラのパロディで、『天国と地獄』は追いかけっこをする場面で使用されていました。
軽妙な曲調がぴったりですね。
『トランペット吹きの休日』(ルロイ・アンダーソン)
よく聞く場面:競技中。
「休日」という割にはとても忙しい曲調なのですが、このトランペット、実は軍隊のラッパなんですって。
進軍ラッパ吹きが、「休みの日くらいは自分の好きなラッパを陽気に楽しく吹きたい!」という気持ちが込められているそうですよ。
『剣の舞』(ハチャトゥリアン)
よく聞く場面:競技中
旧ソ連時代に作られたバレエ「ガイーヌ」の劇中曲。
クルド人が剣を持って出陣の舞をする場面の曲だそうですが、「ガイーヌ」完成当初はこの場面はなく急遽追加したため、ハチャトゥリアンは徹夜で曲を完成させたと言われています。
慌ただしい雰囲気はそのせいかも?
『軽騎兵序曲』(スッペ)
よく聞く場面:開会式
南ドイツを舞台とした、軍人たちの華やかな生活を愉快に描いた、オペレッタ「軽騎兵」。その序曲として演奏された曲です。
冒頭のトランペットのファンファーレがとても厳かで、開会式などで聞いたことがあるのではないでしょうか。
『星条旗よ永遠なれ』(スーザ)
よく聞く場面:入場行進
アメリカの作曲家スーザは、生涯に138曲もの行進曲を作曲し、「マーチ王」とも呼ばれています。
特に吹奏楽部出身者なら誰もが口ずさめるのでは?(私も、小・中・高とお世話になりました♪)
華やかな行進曲ですが、実は悲しいエピソードがあるのです・・・
1896年、スーザの吹奏楽団のプロデューサーを務めていた、友人でもあるブレークリー氏が亡くなりました。
演奏旅行中だったスーザは訃報を聞き、急いで帰ってくる船の中で追悼の曲を書き上げ、NYに到着後すぐに楽譜にしたのがこの曲だそうです。
沈んだ曲調にすることなく、行進曲で弔うなんて、スーザらしいのではないでしょうか。
『見よ、勇者は帰る(帰りぬ)』(ヘンデル)
よく聞く場面:表彰式
音楽劇「マカベウスのユダ」という、古いユダヤの歴史上のできごとに基づいた、英雄の物語の中の曲です。
劇中でも、凱旋したユダを民衆が称える場面で歌われています。
明治初期に、イギリスの陸軍楽隊隊長が日本の軍の音楽隊に伝え、その後海軍の運動会で演奏されたのがきっかけで、日本国内に広まっていったそうです。
今では、「表彰式の曲」といえばこの曲以外に思い浮かばないくらい、定番となっていますね。
ではなぜ、全国各地で同じような曲が同じように使われているのでしょうか。
それは、運動会の曲として集めたレコードが、全国の小・中学校に普及したからだ、という説が有力だそうです。
場面にマッチする曲を探したり選んだりするのは、当時の関係者にとってさぞかし大変な仕事だったでしょうけれど、そのおかげで、こうしてしっかり私たちの記憶に刷り込まれているんですね。
みなさまの素敵な音楽ライフのお手伝いができるよう、環境スペースには、音楽好きなスタッフも多数在籍しております。
防音体験ルームも完備しておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせくださいね。

早くも夏を思わせるような日が多くなってきましたね。
本日5月16日は「旅の日」なんだそうです。ご存知でしたか?
かの松尾芭蕉が奥の細道へと旅立ったのが旧暦3月27日。現在の暦では、本日5月16日にあたる、ということで 「日本旅のペンクラブ」が1988年に定めた日。
忙しい現代生活の中で「旅の心」を大切にし、旅のあり方を考え直す日だそうです。
松尾芭蕉と言えば、誰もが知っている有名な俳句をたくさん残していますね。
せっかくなので、いくつかおさらいしたいと思います。
よろしければ、おつきあいください♪
- ・古池や 蛙(かわず)飛び込む 水の音 五月雨(さみだれ)を あつめて早し 最上川
- ・牛部屋に 蚊の声暗き 残暑哉 閑(しずか)さや 岩にしみいる 蝉の声
芭蕉は、音を感じさせるような句もたくさん残していますね。
それも、どちらかというと賑やかな音ではなくて静寂。
蛙が池に飛び込む音や、蚊の羽音など、小さな音を強調することで、周りの静かな様子が際立って表現されていると思いませんか?
ところで、「静か」ってなんでしょう。
「静かさ」の基準は、45デシベル以下だといわれている
芭蕉の時代と違い、現代は様々な音で溢れかえっています。
- ・車や電車の音、カフェのBGM、自転車のベル、繁華街の喧騒
- ・校庭ではサッカーの練習
- ・マンションのチャイム、テレビの音
- ・大好きなアーティストの曲
- ・掃除機や洗濯機といった生活家電の音、などなど。
近年は、住環境を中心に「静かさ」を求める傾向が強くなっていることは、みなさまよくご存じですよね。
ここで、改めて、日常生活での音の大きさの目安をまとめてみました。
人によって、音の感じ方はさまざまです。
同じ場所でも、ある人にとっては静かに感じられ、別の人には、うるさく感じられることもありますよね。
そのため、人の感覚に頼らず客観的に判断する為に、音の大きさを数値で表しているのです。
一般的に「静か」と感じるのは45デシベル以下だと言われており、国や自治体により、さまざまな「音」に対する規制があります。
住宅地と商業地、昼間と夜間、などの条件の違いで、出せる音の大きさの基準が細かく定められているんです。
こうした音の大きさを測定することは、専用の機材があれば誰でも可能なのですが、都道府県から特定の認可を受けている事業者は、測定の結果を、正式な報告書として提出することができるのです。
この報告書は裁判資料としても有効な、公的なものとなります。
認可を受けた事業者は「計量証明事業者」と呼ばれます。
では「計量証明事業者」はどんな測定をしているのか、代表的なものをいくつか簡単にご説明しますね。
例①マンションの隣戸間測定(遮音性能測定)
お隣の音がどのくらい聞こえますか?という測定です。
部屋で出した音の大きさを、壁を隔てた隣の部屋でも測定して、どのくらい遮断されているのかを計測します。
※関連キーワード 「音圧レベル差」「D値」)
マンションの上下階測定(床衝撃音測定)
上の住人の方の足音や、椅子を引く音が聞こえますか?という測定です。
「バングマシン」「タッピングマシン」という専用の機械を使用して、実際に床を打ち、下の部屋で床衝撃音を測定します。
※関連キーワード 「軽量衝撃音」「重量衝撃音」
例③家の外からの音の測定(騒音測定)
窓から外の音がうるさく聞こえますか?
マンションのエレベーターの音が部屋の中まで聞こえていませんか?などの測定です。
※関連キーワード 「N値」「NC値」「室内騒音レベル」「遮音等級」
一言で「測定」と言っても、いろいろな種類があるんですね。
音以外にも、空気や水の成分の濃度を測定したり、なんてこともあるのですが、それはまたの機会にご紹介しますね
芭蕉が聞いた池の音、現代だったら聞き逃していたかもしれないですね。
環境スペースも、もちろん「計量証明事業」の認可をいただいておりますので、毎日さまざまな測定と向き合っています。
マンションにお住まいの方は、まずは管理会社へご連絡していただくのが良いと思いますが、気になることなどがございましたら、お気軽にご相談くださいね。