風鈴の音、情緒か騒音か・・・

(2019/07/18)

今週末から土用入りですね。

夏の土用は、7月20日から8月7日。

一年の中でもっとも暑さが厳しいとされる時期にあたるため、

昔からこの期間の「丑の日」に、

薬草風呂に入ったり、お灸をすえたり、うなぎを食べたりすることで

夏バテを予防・解消していました。

 

 

 

 

 

 

また、夏の土用は梅雨明けの時期とも重なるため、

土用の虫干し」と言って

大切な衣類や書物などに風を当てて陰干しをする習慣もあったそうですよ。

 

関東地方もいよいよ来週あたり梅雨明け、と言われています。

ようやく部屋干しから解放される!と待ち遠しい方も多いのではないでしょうか。

 

さてそんな中、各地で「風鈴」を楽しむイベントが真っ盛り。

東京から気軽に出かけられるところだけでも、


川越氷川神社

西新井大師

川崎大師

池上本門寺


などなど・・・。(画像はすべて公式HPよりお借りしました)

色とりどりの風鈴がずらっと並ぶ風景は、

見ているだけでも涼やかな気持ちになりますね。

 

風鈴は、元々は中国で占いの道具として使われていました。

占風鐸(せんふうたく)」といって、風向きや音の鳴り方などで吉凶を占っていたものが、

奈良時代になって「魔除け」として日本に伝わりました。

当時、強い風は流行り病や邪気を運んでくる災いのもととされ、

風鐸を掛けることによって、その邪気を払ってくれると考えられていました。

ただし、当時の風鐸は、今のように涼やかな音ではなく、

鈍くて重い音だったと言います。

 

平安時代には、

貴族たちがお屋敷の縁側に魔除けとして風鈴を下げるようになります。

 

更に江戸時代、西洋からガラスの製造方法が伝えられ、

現在でもおなじみのガラス製の風鈴が誕生します。

しかし当時はまだガラス製品は大変高価なものでしたので、

風鈴が庶民に広まったのは明治時代に入ってからのこと。

そしてこの頃から、元々の魔除けの意味だけでなく、

夏の風物詩として風鈴の「音」をを楽しむ文化も形成されていきました。

 

更にこの風鈴の「音」は、日本特有の気候にも関係があります。

多湿な日本の夏において、風が吹くと気温の変化がなくても涼しいと体感していた日本人は

風鈴の音を聴くことによって、風が吹いている=涼しい と脳が思い込むのだそうです。

ですから、風鈴に馴染みのない外国の方や若い世代の方には、

あまり効果がないという実験結果もあるようです。

 

先日会った友人の子どもは、

「風鈴?なにそれ?」と言っていたのでびっくりしましたが、

マンションに住んでいたら知らなくて当然か、と納得しちゃいました。

 

大人世代には情緒的にも感じられる風鈴の音ですが、

東京都環境局のホームページでは「生活騒音」の一部として挙げられているのをご存じでしょうか。

 

東京都環境局「生活騒音」のページ

 

オートバイの空ぶかし音や、ペットの鳴き声などと同列で「風鈴の音」が書かれています。

音の感じ方は人それぞれ。

ある人にとっては心地いい音色でも、

別の人にとっては苦痛でしかない、なんてことも

昨今ではよくあることです。

 

ご近所に迷惑をかけずに、情緒ある風鈴の音色を楽しみたい場合は、

・できるだけ室内に吊るす。カーテンレールの内側などに掛けておけば、外に響きにくくなります。

・外に出せる環境であっても、夜間や風の強い日は避ける。

また最近では、騒音問題を考慮した、音の小さい室内用の風鈴なども売られているようですので、

TPOに応じて上手に工夫することが大切ですね。

 

一方で、岩手県のJR水沢駅ホームでは

毎年6月から8月にかけて、当地で制作された「南部風鈴」がたくさん飾られます。

南部鉄器特有の、「リーン」という澄んだ音と響きは

環境省の「残したい日本の音百選」にも選ばれるほど。


出典:河北新報


 

 

 

 

 

 

 

 

3,000ヘルツの高周波音帯は、

小川のせせらぎや鳥のさえずりなどと同じ、深いリラクゼーション効果がたっぷり。

ぜひ一度訪れてみたいものですね。

 

このような楽しみ方は駅のホームならでは。

やはり住宅地で音を楽しみたいと思ったら、

風鈴しかり、楽器の音しかり、

できるだけ周りに配慮して、迷惑を掛けないようにすることも

音を愛する私たちのマナーなのでしょうね。

 

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