【蚊の音を徹底理解!】近年めっきり少なくなった、憎いアイツと周波数の話
ここ数年、夏になるとしばしば交わされるのが、「そういえば、今年も蚊がいないよね」といった話題。
蚊が活発になる気温は、26℃〜32℃程度だそうです。
最高気温35℃を超えることが珍しくなくなった日本も、蚊にとってみれば過酷な環境なのでしょう。
とは言え、油断していると忘れた頃に「ぷ~ん」と、夜中の耳元に迫るアイツ。
あの音はなぜ耳障りなのでしょうか。
今回は、身近な夏の生き物と周波数についてお話したいと思います。
蚊の音は、人間の耳に一番良く聞こえる周波数帯域
「ぷ~ん」という音は、蚊の羽音です。
飛ぶ虫は他にもたくさんいるのに、蚊の羽音だけはやたらと聞こえる気がしませんか?
耳に入る理由は、羽をはばたかせるスピードが大きく関係しているからなのです。
生き物別、1秒間に羽ばたく回数
- 蝶 :8回~10回
- バッタ :18回~20回
- トンボ :20回~30回
- ミツバチ・ハエ:190回~200回
- 蚊 :350回~600回
1秒間に何回羽をはばたかせるか「=羽音周波数」は、そのまま「ヘルツ(Hz)」で表すことが出来ます。
人間の耳に聞こえる周波数は、20Hz~20,000Hz(=20kHz)と言われています。
蚊の羽音(350Hz~600Hz)は、人間の耳に一番良く聞こえる周波数帯域です。
そのため小さな音でも敏感に、音を拾ってしまいます。
ちなみに若者の迷惑行為の抑止に利用されている「モスキート音」は、「蚊が発する不快な羽音」の名称から由来しているものです。
実際の周波数は17,000Hz(=17kHz)もあります。
耳には聞こえるが、携帯電話越しには聞こえない虫の音もある
夏にまつわる身近な周波数の話をもうひとつ。
夏と言えば、ギラギラ太陽とセミの声。
このセミの声、実は携帯電話越しでは聞こえないことをご存じでしょうか。
- 携帯電話が通す音:300Hz〜3,400Hz
- セミの鳴き声 :1,000Hz〜10,000Hz(=10kHz)
個体差や環境の影響はありますが、電話口でセミがうるさく鳴いていても、話している相手には、まったく聞こえないという不思議な現象が起きてしまいます。
セミの他にも、鈴虫やコオロギの鳴き声なども同様です。
虫の音以外にも、風鈴の材質によっては10kHz以上の高周波になるものがあります。
風鈴の場合、カツカツと当たる音は聞こえるのですが、リーンという澄んだ響きが聞こえないという現象が起きるのです。
周波数の目線から見ると、発見が多く、つい実験したくなります。
環境スペースは、防音室などを通して、みなさまの快適な空間作りのお手伝いをしています。
防音室を作る時、音源の周波数は重要要素です。
楽器だけでなく、自然の音にも耳を傾けてみると、また興味深い発見があるかもしれません。
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