「1/fゆらぎ」ふたたび~焚き火を科学する秋の日

(2019/10/03)

いまだに30℃を超える日もありますが、気づけばもう10月。

近頃では暑い夏を避け、涼しくなってくるこのシーズンに

アウトドアを楽しむ方も増えていますね。

 

秋のアウトドアといえば人気のキャンプ。

秋キャンプの醍醐味といえば、何と言っても焚き火

わざわざ海や山へ出かけなくても

都心にいながら音楽や食事、お酒と一緒に

焚き火を楽しめるイベントも開催されたりしています。

 

 

焚き火を見ているとなんだか落ち着く、

パチパチという音を聞いているだけで癒される、

そんな方も多いのではないでしょうか。

今回は、焚き火の「音」に注目してみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

焚き火の持つヒーリング効果については、

すでに多くのメディアで紹介されているので

ご存じの方もたくさんいらっしゃるでしょう。

焚き火の映像だけを流したTV番組がヒットしていたり、

動画サイトも再生回数が軒並み多かったり。

 

焚き火には、以前ブログでもご紹介した「1/f(エフぶんのいち)ゆらぎ」と言われる

リラックス効果を与える成分が含まれています。

※2019年5月5日付ブログ 『夏の音、癒しの効果「1/fゆらぎ」』

一定のようでいて、実は予測できない不規則なゆらぎが、

人間に心地よい快感を与えているそうです。

 

1/fゆらぎ」は、

木漏れ日、ホタルの光、炎の揺れなど視覚から得られるものもあれば

小川のせせらぐ音、波の音、小鳥のさえずり、そして焚き火の音など、

聴覚から得られるものもあります。

 

 

 

 

 

 

ろうそくの炎だけでもじゅうぶん癒されますが、

焚き火のようにパチパチとはぜる音が加わることで、

より一層リラックス効果が高まるのだそうです。

 

ところで、あの「パチパチ」という音は何の音でしょうか。

木が燃える音?割れる音?

 

 

科学的な言い方をすると、あの音は「水蒸気爆発」の音です。

情緒ない(笑)

 

木に含まれる水分が炎によって急速に加熱されると「過熱水蒸気」になります。

(「過熱水蒸気」=100℃以上に加熱された水蒸気のこと。

スチームオーブンで使われている、と言えばピンとくる方も多いのでは?)

そして、樹木が根から吸い上げた水分を茎や葉へ通す管のことを

導管(どうかん もしくは「道管」と表記)」と言います。

水分が過熱され、水蒸気が外に逃げる時に、

この導管細胞中の空気と一緒に膨張して導管を破壊します。

これが「パチッ」という音の正体です。

 

 

 

 

 

 

焚き火に使う薪の材料は様々ですが、

最もメジャーで入手しやすい(ナラ)の木は、

この導管細胞が大きいので、「パチパチ」という音も

よく鳴ると言われています。

 

ちなみに導管細胞の大きさが世界最大級と言われる(クリ)の木は、

熱膨張で破裂する勢いも非常に強いのだそう。

燃やすと「パンッ!」という大きな音を立てて火の粉もまき散らすので、

注意が必要なんだそうです。

 

 

一方、燃やした時に木口から「シューシュー」という音が

聞こえたことはありませんか?

この音が聞こえた薪は、しっかり乾燥していない薪。

薪の中の水分が沸騰して外に出てきている、残念な音なのです。

このような薪は往々にして不完全燃焼を起こし、

煙も多くなってしまいます。

 

切ってすぐの薪の水分含有量は約50%と言われています。

このままではなかなか燃えないので乾燥させなくてはなりません。

燃えやすい水分含有量(20%程度)になるまで、

1年から2年ほどかかるのだそうです。

里山の家の壁に薪がびっしり並べられている風景を

目にしたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

天気の良い日にこの薪棚に近づくと、

「ピチッ」という小さな音が聞こえることもあります。

これは薪が乾燥する時に出る音です。

乾燥した薪をよく見ると、木の芯から放射状にひび割れが入っています。

 

 

 

 

 

 

木は成長する時、外側から大きくなるため、

外側に近い方が水分が多く、内側(中心)ほど水分が少ない状態です。

なので、乾燥する時は水分の多い表面側の方がたくさん縮もうとして

ひずみが生じて割れが入るのだそうです。

天気が良くて風が吹くような日には

「ピチピチピチ・・・」と乾いた良い音が聞こえるかもしれませんよ。

 

最近疲れていてちょっと癒されたいな、という時には

身近な音の癒し効果をうまく利用してみてはいかがでしょうか

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